フォルトゥナ・デュッセルドルフ所属の日本代表MF田中碧は、今月23日開催の昇降格プレーオフ1stレグ(対VfLボーフム)でスタメン出場。FW浅野拓磨との日本人対決を制し、ブンデスリーガ昇格へ王手をかけた。しかし現地ではクラブの成績に関係なく、田中の今夏移籍が既定路線だと報じられている。
ドイツの移籍市場に精通しているクリストファー・ミシェル記者が24日、デュッセルドルフと2025年6月まで契約を残している田中について「たとえデュッセルドルフが昇格したとしても、彼は今季終了後に退団するつもりだ」とリポート。これによると、同選手にはDF板倉滉やFW福田師王ら擁するボルシアMG、DF伊藤洋輝所属のVfBシュツットガルト、マインツの3クラブが関心を寄せているという。また同記者は、田中の移籍金について「残り契約年数が短い」と指摘した上で、最大でも300万ユーロ(約5億1000万円)の見込みだと伝えている。
移籍先候補に挙がっているマインツとボルシアMGは、今季ともに2桁順位と低迷。一方のシュツットガルトは伊藤の活躍もあり、2位と来季UEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得している。そのシュツットガルトは先日、攻撃的MFである原口の退団を発表。ドイツ紙『キッカー』は今月20日、原口にデュッセルドルフ移籍の可能性があることを報道。記事で「原口の今後が、田中の去就を左右するかもしれない」と綴られているだけに、日本人2選手による実質のトレードという形で決着する可能性も考えられる。
田中は昨年夏にクラブ幹部へ移籍を直訴も残留。AFCアジアカップの日本代表メンバーから外れるなど、厳しい時期を過ごしたが、今年1月21日のリーグ戦再開以降は、コンスタントにスタメン出場。先月はじめに急性虫垂炎により3試合で欠場を余儀なくされたが、それでも中心選手としてチームの3位フィニッシュ、プレーオフ出場権獲得に大きく貢献している。
一方、原口は昨年1月にウニオン・ベルリンからシュツットガルトへ完全移籍。同年3月末まではリーグ戦ほぼ全試合スタメン出場も、セバスティアン・ヘーネス監督が就任した4月以降は序列が一変。今季、公式戦3試合の出場にとどまっているが、本人はドイツでのプレー続行に意欲を覗かせている。