鹿島アントラーズのゴール裏 写真:Getty Images

 鹿島アントラーズは今月22日開催のYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦(対町田ゼルビア)で0-2と敗北。試合後、アウェイゴール裏からブーイングが湧き起こったが、このブーイングに関する町田サポーターのSNS投稿を巡り議論が白熱している。

 鹿島は直近のリーグ戦5試合で4勝1分と好調を維持。首位の町田から勝ち点4差の3位と上位争いを繰り広げる中、ルヴァン杯3回戦で町田と対戦したが、前半36分までにオーストラリア代表FWミッチェル・デュークに2点を奪われるなど、厳しい試合展開に。後半開始からFWアレクサンダル・チャヴリッチとFW鈴木優磨を投入するなど局面の打開を図ったが、シュート6本、枠内シュートゼロに抑え込まれて敗れた。

 不甲斐ない戦いにより、タイトル獲得の可能性が消滅しただけに、サポーターは試合後に不満を爆発。挨拶をするためにゴール裏に駆けつけた選手に対してブーイングや罵声を浴びせており、その時の様子が動画によりX(旧ツイッター)で拡散されている。

 すると、とある町田サポーターが「サポーターが選手に怒鳴る文化、何とかならないかな?」「誰かが怒られているのを見るのが辛い」と、動画投稿に反応。これには「私もブーイングが嫌い」「サポーターはなぜこんなに偉そうなんだろう…」「こんなの一種のカスハラ」といった賛同の意見が寄せられている。ただ一方で「クラブごとにサポーターの文化は違う」「鹿島と町田だと、クラブの歴史が違う」「鹿島はつねにタイトルを獲らないといけないクラブだから、サポーターからのプレッシャーも凄い」といった指摘も。中には「町田サポーターが鹿島のことについてとやかく言うことではない」などと、否定的なメッセージも見受けられるなど、他クラブのブーイング文化に対する言及も議論の対象となっている。

 Jリーグ公式戦におけるブーイングについては、ヴィッセル神戸の三木谷浩史会長が今年3月18日深夜にXを更新。神戸サポーターへの提案として「つねにあいてにたいするリスペクトを忘れず、味方を鼓舞する。神戸はそういう事ができる可能性があるクラブだと思っています。国際的に様々なものを受け入れ、日本を代表するクラブになり、日本の新しい象徴となりましょう」と呼びかけた上で「ブーイングはカッコ悪い」と私見を述べていた。

 また、FC東京のの経営権を持つ『株式会社MIXI(ミクシィ)』木村弘毅代表取締役社長は、千葉ジェッツの経営権も持っているだけに「スポーツ観戦とブーイングという意味だと、バスケットボールはかなり良くデザインされているなとあらためて思います」とJリーグとBリーグを比較。「公式的にブーイングが推奨されるポイントを作っているので、ブーイングしてる人が悪者にされない」とBリーグ公式戦における長所を説明した上で、「スポーツにおいて必ずしもブーイングが悪ではないし、ただ単純に無くせば良いというものでもないと思っています」と主張している。Jリーグの”ブーイング文化”を巡る論争は熱を帯びる一方だ。