鎌田大地 写真:Getty Images

 日本代表MF鎌田大地は、セリエA(イタリア1部)ラツィオ残留が濃厚とみられていたが、今夏退団の可能性が再浮上。アイントラハト・フランクフルト時代の恩師オリバー・グラスナー監督率いるクリスタル・パレスとの交渉が報じられる一方、ローマ移籍報道が飛び交っていることにより、ラツィオサポーターから同選手に対する攻撃的なコメントが見受けられている。

 鎌田の去就を巡っては、イゴール・トゥドール新監督のもとで主力選手として活躍する中、イタリア紙『コリエレ・デッロ・スポルト』が今月7日に「鎌田はロティート会長に契約延長の意思を伝えた。トゥドール監督のおかげで、サッリ前監督時代とは考えが変わった」とリポート。しかし、イタリア紙『ラ・レプッブリカ』が20日に契約延長交渉の停滞を伝えると、イタリア紙『イル・メッサジェッロ』は21日にクリスタル・パレスと選手サイドの交渉を報道。23日にはイタリア紙『コリエレ・デラ・セラ』が「クレイジーなアイデア」と前置きした上で、ローマが鎌田をリストアップしている可能性を伝えていた。

 サッリ前監督のもとで本来のパフォーマンスを発揮できなかった鎌田。トゥドール監督就任以降、評価が高まっているだけに、ラツィオサポーターから「批判して申し訳ない」「これだけの素晴らしいパフォーマンスを待っていた!」などと、謝罪や称賛のコメントが相次いでいた。

 しかしローマ移籍の可能性が報じられると、同選手への風向きは一変。ローマダービーとして、ラツィオとローマが長年にわたりライバル関係であるだけに「ローマに移籍するなんて裏切り者だ」「鎌田、まさかローマに移籍するなんてことはないだろうな」といった厳しいコメントがネット上で飛んでいるほか、ラツィオの専門サイト『ラツィオライブ』もローマ移籍の可能性を報じる際に「鎌田がラツィオサポーターを裏切る?」という表現を盛り込んでいる。

 なお、ラツィオと鎌田の契約延長交渉を巡っては、選手側が年俸300万ユーロ(約5億1000万円)と現状維持による3年間の契約延長オプション発動を望まず。300万ユーロから400万ユーロ(約6億8000万円)への引き上げ、単年での契約延長を求めているという。