地下鉄日比谷線の神谷町駅より徒歩1分の場所にある「集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー」にて、6月30日（日）まで「TANAAMI!! AKATSUKA!! / 45 rpm」展が開催中だ。
同展には、グラビア印刷技術を駆使して制作された田名網敬一さんと赤塚不二夫さんのコラボレーション作品も展示されている。両者のファンは必見だ。
「TANAAMI!! AKATSUKA!! / Revolver – the sound track」ジャケットサンプル
ミスプリントをレコードジャケットに再生
かつて田名網さんは、赤塚さんとのコラボレーションという形で、2021年に印刷業界での稼働を終えたグラビア印刷機を用いて「TANAAMI!! AKATSUKA!! / Revolver」という作品を制作した。
この印刷過程では多くのミスプリントが生まれた。ミスプリントには版ズレや色カケなどの不具合が見られたが、それぞれがユニークで面白い。そこで集英社では、このミスプリントをレコードのジャケットとして仕立て直すことに。
「TANAAMI!! AKATSUKA!! / Revolver – the sound track」©Keiichi Tanaami Courtesy of NANZUKA ©Fujio Productions Ltd. / Shueisha Inc.
レコードは12インチの180グラム重量盤で、45回転仕様。会場では限定999枚が8,800円で販売される。
レコードのA面には、赤塚さんと親交の深い坂田明さんによる即興曲「Meehr!!」と、グラビア印刷機の音を基にAnalogfishの下岡晃さんが作曲した「Revolver」の2曲を収録。B面には、2021年にTOPPAN川口工場で収録されたグラビア印刷の音を収めた。
また同展では、さまざまなヴァリエーションのグラビアプリントジャケットを展示販売。センターレーベルをレンチキュラー印刷で制作した特別なアウタージャケット仕様のバージョンなども制作している。
田名網敬一さんが着物をアートとして昇華
また、田名網さんは「TANAAMI!! AKATSUKA!!」の屏風や茶室を制作するとともに、着物のデザインも進めていた。
Tanaami kimono Collection「羽織」 ©Keiichi Tanaami Courtesy of NANZUKA / Shueisha Inc.
着物はえもん掛けにかければタペストリーのように、そして着用すれば立体的な動きを見せる。捺染プリンタによる色彩と、機械と手縫いのミックスによる仕立ても美しい。
同展では、ゆっくりと回転するスタイルでこれらの着物を展示する。なお、この着物は国立新美術館で開催される田名網さんの回顧展に合わせて8月に発売予定だ。
Tanaami kimono Collection「振袖」 ©Keiichi Tanaami Courtesy of NANZUKA / Shueisha Inc.
この機会に田名網さんと赤塚さんの魅力溢れるコラボレーション作品を楽しんでほしい。
集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー
所在地：東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1
営業時間：11時〜20時
休廊日：月曜日
（IKKI）
※価格は全て税込
