競争が加熱する千葉

大幅にスタメンを変更して臨んだ第14節の横浜FC戦(1-0)以降、チーム内の競争が激化した千葉。「上位に行くためにはチーム内の競争は大事です。誰が出ても変わらないプレーをチーム全体ができるようにする必要がある」と小森が語るように、愛媛戦でも交代選手たちのギラギラした熱量を感じることができた。

小森がスタメンを外れていた横浜FC戦では、FWを務めていた呉屋大翔が見事に先制点を奪いチームを勝利に導いた。同じFWとして得点できていなかった時期に生まれた呉屋のゴールに焦りを感じたか尋ねると「焦りはないです。ただただ嬉しかったです。たとえ誰が決めても勝つことがすべてですから」と味方FWのゴールとチームの勝利を純粋に喜んだ様子が窺えた。

小林慶行監督は、ここ数試合で小森と呉屋の2トップを後半から試している。その場合、呉屋が最前線に張り、小森がやや低めのポジションでビルドアップにも絡むことが多い。愛媛戦でも実施されたこのシステムについては「お互いに特徴を理解していますし、試合を重ねるなかで息も合ってきている。これからもっといいコンビネーションを生み出せると思います」とライバルとの共存にも手応えを感じていると語った。それぞれ特徴の異なる両者の連携がより密になれば、千葉の攻撃がさらに活性化することは間違いないだろう。


小森飛絢 写真:浅野凜太郎

「得点王争いを突き放したい」

千葉は次回第17節で、現在リーグ2位のⅤ・ファーレン長崎と対戦する。小森は「2023シーズンはアウェイで決勝ゴールを決めて勝利している相手なので、感触としては悪くないです。また同じように自分のゴールでチームを勝たせることができるよう、いい準備をしていきたいです。できれば新スタジアムでやりたかったですけどね」と連勝へ向けて意気込んだ。

長崎には小森と同じく通算8得点で得点王争いを繰り広げているMFマテウス・ジェズスとFWエジガル・ジュニオがいる。その存在について「厄介ですね、彼らは複数得点する力を持っている。僕は、誰よりも得点ランキングを気にしていると思いますよ。毎試合チェックして、常に自分が一番上にいないと気が済まない。早く単独得点王になって得点王争いを突き放したいですね」と闘争心をみせた。チームプレー重視とはいうものの、やはりそこは生粋のFW魂で虎視眈々と得点王を狙っている。

長崎戦もチームの勝利が最重要ではあるが、サポーターからすれば小森の得点王争いも気になるところだ。望むべくは守備陣が長崎の攻撃をストップし、小森がゴールを決めて勝つこと。千葉にとって最高の結果を期待したい。