『新世紀エヴァンゲリオン』は、庵野秀明原作・監督によるオリジナルアニメ作品であり、宇宙戦艦ヤマトや機動戦士ガンダムの系譜を受け継ぎ、1990年代日本での第3次アニメブームを巻き起こした作品として知られている。

 セカンドインパクトという大災害のあとの世界を舞台に、決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった少年少女たちと、襲撃する敵「使徒」との戦いを描いた本作は、阪神淡路大震災、オウム事件、ノストラダムスの予言といった不安な社会情勢にマッチし、またオタクという文化を飛躍的に発展させたことでも知られる作品である。

 複雑に入り込んだ設定などから今もなお多くの考察がなされている本作にも、有名作品よろしく多数の裏設定や都市伝説が語られている。その中の一つとして語られるものに、例えばエヴァンゲリオンが「フリーメイソン」と関係しているのではないかというものがある。

 フリーメイソンといえば、陰謀論ではたびたび登場する”秘密結社”として有名である。石工団体に始まり、その象徴として石工道具である定規とコンパスがシンボルマークに使用されている。

 エヴァンゲリオンの登場人物は、綾波、葛城、惣流、赤木など、航空母艦もしくは海に因んだ名前がつけられており、主人公碇シンジ及び彼の母の姓である「碇」もそれに因んだものであると思われる。しかし、錨ではなくわざわざ「碇」の字を用いたのは、石工と定規の石と定に由来しているとも言われている。

 また、彼の父・ネルフの総司令官である碇ゲンドウの旧姓が航海の際に方角を表すための器具である「六分儀」であり、これがいわゆるコンパスを表していることからもフリーメイソンとの関係性を示唆しているのではないかと言われている(ただし、六分儀は羅針盤であり厳密にはコンパスではないためこじ付けにすぎないとの主張もある)。また、碇シンジの名は神の子の意味となる「神児」を表しているとも言われており、石工と定規が組み合わされて生まれた神の子という暗示が込められているというのである。

 また、「幼稚園時代の碇シンジが砂場でピラミッドを作っては壊す作業を繰り返す」「使徒の数が18(“666″を合計した数)である」など、フリーメイソンを想起させる描写が随所に見られるとの意見もあり、大ブームの影に秘密結社が関わっていたのではないかとの憶測もなされている。

『新世紀エヴァンゲリオン』はフリーメイソンと関係があった?!『ふしぎの海のナディア』も…
(画像=画像は「Amazon」より,『TOCANA』より 引用)

 加えて、庵野が総監督を務めたエヴァンゲリオンより前の作品『ふしぎの海のナディア』に登場する、秘密結社ネオ・アトランティスの首領ガーゴイルの装飾が、三角型の被り物に一つ目を強調したようなデザインが、フリーメイソンの「プロビデンスの目」を思わせることから、エヴァンゲリオンはナディアの続編ではないかとも言わることがある。

 こうしたフリーメイソンに関係する描写が、本当に関連するものであるかは議論の別れるところではある。何より、エヴァンゲリオンの作中で描かれているものには、アダムとイブが局部を隠した「イチジクの葉」がネルフのロゴマークに用いられていたり、ユダヤの教えとしても知られるカバラの象徴「生命の樹」も登場したり、さらにロスチャイルドの「世界革命行動計画」と作中に登場する上位組織ゼーレの「人類補完計画」が、その計画自体もさることながら12人の幹部(有力者)によって集められたものに通じているといった指摘すらある。

 これらの描写については、現実に流布されている都市伝説や陰謀論をモチーフとして作中に落とし込んだ結果であるという見方も当然あり得る。ある意味では、このような描写から様々に考察し得る要素をふんだんに利用し一つの作品として完成させたものが、エヴァンゲリオンなのかもしれない。そして、それこそが今なお根強いファンを生み出す効果に繋がっているということなのだろうか。

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文=ZENMAI(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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