自分に万が一のことがあったとしても、配偶者が契約を引き継げるようにしている金融機関も多いため、路頭に迷わせるリスクもありません。また、退職金や預貯金などまとまった資金も残せるため、介護などで高額な出費が生じる場合にも備えることができます。

注意点

リバースモーゲージは、一般的な住宅ローンとは違い、固定金利のものはありません。変動金利のみとなるため、将来的に金利が上がり、返済額も増えるリスクがあります。

また、融資限度額は不動産の評価額に応じて決まるため、土地・建物の価値が下落したら、融資限度額が引き下げられるかもしれません。借入額が融資限度額まで達してしまうとその後の融資は受けられない点にも注意が必要です。

できる限り早めの準備を

リバースモーゲージは便利な方法ですが、変動金利で限度額もあり、注意点があります。できる限りで良いので、老後資金は早めの準備を心がけましょう。

自助努力をした結果、どうしても足りない部分はリバースモーゲージを使うなど、他の方法との組み合わせをおすすめいたします。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日商簿記検定1級、貸金業務取扱主任者(試験合格)