指宿洋史 写真:Getty Images

 かつて清水エスパルスや湘南ベルマーレなど、Jリーグ複数クラブでプレーしていたFW指宿洋史は、今月16日にオーストラリア1部アデレード・ユナイテッドを退団。21日に新天地が正式決定したが、Jリーグ復帰は実現していない。

 同選手は柏レイソルの下部組織出身であり、かつてジローナ、セビージャなどスペイン国内の複数クラブに在籍。2014年7月以降にアルビレックス新潟、ジェフユナイテッド千葉、湘南、清水と渡り歩いた後、2022年1月にアデレードへ加入。豪州挑戦1年目から絶対的ストライカーとして活躍する中、2023/24シーズンはリーグ戦26試合中20試合のスタメン出場で15ゴール3アシストをマーク。リーグの得点ランキングで、首位のパース・グローリー所属FWアダム・タガート(元セレッソ大阪)から5ゴール差の4位で終えるなど結果を残していた。

 ただ、今月に入って豪州1部ブリズベン・ロアーからの関心が報じられると、シーズン終了後にアデレードを契約満了により退団することが決定。豪州メディア『FTBL』が18日に「ブリズベン・ロアーは指宿と契約間近だ」と伝えていたほか、ネット上ではJリーグ復帰を期待する声も挙がっていた。

 しかし、指宿の争奪戦を制したのは、豪州1部のライバルクラブであるウェスタン・ユナイテッドFCだった。同クラブが21日に指宿と2年契約を結んだと公式発表。選手本人は公式サイトを通じて「このクラブに加入できて本当に光栄です。僕にこのようなチャンスを与えていただきありがとうございます。全力を尽くします」とファン・サポーターやクラブ関係者に感謝している。

 また、ウェスタン・ユナイテッドのジョン・アロイージ監督は「指宿のクオリティーは、我々にとって大きな補強となるはずだ。ボールが空中にあるかピッチ上にあるか関係なく、ペナルティエリア、ファイナルサードでの彼のプレーは、我々に新たな次元をもたらすだろう」と日本人ストライカーの決定力に期待を寄せている。

 ウェスタン・ユナイテッドは2021/22シーズンに豪州1部リーグのファイナルシリーズを制したが、今季は12クラブ中11位に低迷。かつて柏レイソルや松本山雅FCなどでプレーしていたDF今井智基や、元北海道コンサドーレ札幌所属選手のMF檀崎竜孔らを擁している。