興味深いSF的思考実験の産物と見なされている「ダイソン球」が実際に存在しているのか!? 最新の研究では天の川銀河にこのダイソン球が7つあるかもしれないという――。
■タイプ2の文明が生み出す「ダイソン球」は実在する!?
進み続けた文明はどのような姿になるのか。
1964年に旧ソ連の天文学者、ニコライ・カルダシェフは宇宙文明の発展度には3段階あると定義し、当人にちなんで「カルダシェフ・スケール」と命名された。
その3つのスケールとは、単純にタイプ1、タイプ2、タイプ3なのだが、その中でタイプ2は恒星文明とも呼ばれ、恒星系の規模でエネルギーを使用および制御できる文明である。
太陽系でいえば太陽のエネルギーをすべて活用できる文明のことで、タイプ2文明はたとえば太陽の周囲を太陽光パネルで取り囲んで形成される「ダイソン球」を構築していることが、1960年に理論物理学者のフリーマン・ダイソンによって提案された。
恒星全体を包み込む巨大な球体であるダイソン球は現在の我々の文明からすれば途方もない規模の建造物であるが、驚くべきことに現実に存在している可能性が新たな研究で示唆されている。
ダイソン球が実際に存在するのであれば、その恒星からの熱によって球体が加熱され、大量の赤外線が放射されていると考えられている。したがってこの「赤外線過剰放射(IEE)」が見られる天体はダイソン球である可能性があることになる。
スウェーデンの地球外知的生命体探査(SETI)「プロジェクト・ヘパイストス」による研究では、コンピュータプログラムを駆使して、欧州宇宙機関(ESA)を含むさまざまな天文台によって調査された天の川銀河内の500万以上の星の中からIEEを割り出し、ダイソン球の有力な候補を7つ特定した。
候補となる7つの恒星はすべて太陽よりも小さくて暗い「M矮星」であり、それらはすべて地球から1000光年以内に位置している。はたしてそこでタイプ2にまで発展した高度な地球外文明が栄えているのだろうか。
この7つの恒星はタイプ2文明が構築したダイソン球なのだろうか。研究者らは次のステップでは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などのより高性能な機器を使用して、新たに特定されたこの候補天体について追跡観測を実施してより正確な測定値を取得し、これらの恒星系内で地球外文明の兆候を探すことだと述べている。
ダイソン球が実在するとすれば驚くしかないが、今後の調査の進展如何では驚愕の“宇宙の真実”が明らかにになるのかもしれない。
参考:「Live Science」ほか
文=仲田しんじ
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
提供元・TOCANA
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?