山の緑がいっそう濃くなる6月。九州の中央に位置するくじゅう連山では、ミヤマキリシマが開花したという知らせが届きます。山がピンクに染まる絶景は、全国の登山愛好家を魅了してやみません。
今回念願のミヤマキリシマ咲き誇るくじゅう連山へ足を運ぶことができたので、山麓で泊まったおすすめの旅館とともに、その様子をレポートしたいと思います。
九重九湯の1つ「筋湯温泉」
九州の中央部にそびえるくじゅう連山。九州本土最高峰の中岳(標高1,791m)をはじめとして、標高約1,700m級の山々が連なっており、"九州の屋根"としても親しまれています。
毎年6月の第一日曜日に山開きが行われ、全国各地から多くの登山愛好家が訪れます。目的は平治岳(ひいじだけ、標高1,642m)や立中山(たっちゅうざん、標高1,465m)の山肌に咲き誇るミヤマキリシマというツツジの花畑です。
「くじゅう連山」は日帰り・1泊2日のどちらでも楽しめる山。山中にある法華院温泉山荘や坊ガツルのテント場に泊まる方も多いですが、筆者は麓の「筋湯(すじゆ)温泉」を拠点にすることにしました。
九重九湯(ここのえきゅうとう)と呼ばれるように、温泉の宝庫である「くじゅう連山」の山麓。せっかくなら"おんせん県"を満喫したいですよね!
古き良き民芸調のお宿「旅館かくおや」
今回宿泊したのは「旅館かくおや」。ネットで事前に調べたところ、圧倒的なコストパフォーマンスのお宿というクチコミを多く見かけてチョイスしました。平日であれば1泊2食付きで1人9,000円を切る料金で宿泊できます。
古き良き外観の旅館に入ると、囲炉裏のある民芸調のロビー。どこか懐かしい空間に、なんだかホッと安らぎます。
宿泊したのはこちらの和室です。6畳ですが、2人であれば十分な広さ。料理を食べて、温泉に浸かって、明日に備えてしっかりと寝られれば良し。
広くて新しい部屋よりも、こうした昔ながらの空間の方が落ち着きます。
打たせ湯も無料!離れの絶景温泉へ
旅館かくおやのコストパフォーマンスが高いと言われる理由の一つがお風呂。
24時間入れる本館の内湯のほか、旅館から徒歩5分少しの場所には離れの温泉「わいたの湯」があり、宿泊者は無料で利用できます。
離れの温泉を目指して温泉街を歩くというのも非日常で良いですね!
温泉へ辿り着いた時、あまりのロケーションの素晴らしさに感動しました。まるで窓の額縁のように立てられた柱の間から周囲の美しい緑を眺められます。
岩造りの浴槽にこんこんとお湯が湧いています。泉質は単純温泉で、どんな方でも気持ちよく入れる優しいお湯です。1人で利用するにはもったいないほどの広さの露天風呂に心ゆくまで浸かりました。
旅館に帰った後にも、温泉の楽しみがあります。それは筋湯名物の「打たせ湯」です。なんと旅館かくをやに宿泊すると、4つの公共浴場を無料で利用することができ、その中に打たせ湯も含まれているのです。
両肩にお湯が勢いよく流れ、お湯の飛沫を浴びながらリフレッシュする時間は最高ですよ!
食べ応え十分。活力もらえる夕食
温泉と並んでもう1つ旅館かくおやの魅力が食です。1泊2食付きで1万円アンダーという料金ながら、圧倒的な満足度の夕食を味わえます。
豊後牛の鉄板焼から川魚の塩焼き、馬刺しや天ぷらなど、主役級のお料理が盛りだくさん。リーズナブルな料金を守りながら、地のものを生かすお料理の数々に感激です。
しかもお肉は、大分が誇る豊後牛。お肉に入ったサシが細やかで美しいです。口に入れると程よい脂が口の中でとろけます。また揚げたてのサクサクな天ぷらも美味しかったです!
明日の登山に備えて、たらふくご飯をいただき、たっぷりとパワーを補充させていただきました。
ミヤマキリシマ咲き誇るくじゅう連山へ
翌日は朝イチで朝食をお願いして、くじゅう連山の登山基地となっている「長者原(ちょうじゃばる)」から登山開始です。目指すのはくじゅう連山の中腹にある坊ガツルです。
迷う箇所は特になく、シーズン中には多くの登山愛好家が同じ登山道を使うので安心です。登山開始から約2時間ほど、雨ヶ池越を通過してアクセスします。
そして中継地点の坊ガツルまで来たら、あとは登りたい山に向けて人が分かれています。筆者は平治岳(ひいじだけ、標高1,642m)〜大船山(だいせんざん、標高1,786m)を目指しましたが、道中に見事なミヤマキリシマの群落に出会えました。
山肌の緑に添える一面ピンクの花園。1年のうちでも数週間しか出会えない、念願の景色を見られた感動が今でも忘れられません。
いかがでしたでしょうか。温泉からお宿、山の絶景まで満喫できるくじゅう連山。山好きの方はぜひ足を運んで欲しい素晴らしいエリアです。
旅館かくおや
住所:大分県 玖珠郡 九重町湯坪659
TEL:0973-79-2014
文・写真・土庄雄平/提供元・たびこふれ
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