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1994年、英国で発覚した「恐怖の館」事件をご存知だろうか。少なくとも12人の若い女性が強姦や暴行の末に殺害され、犯人夫妻の自宅敷地内に埋められていたという凄惨な事件である。しかも、被害者の中には犯人の実の娘までもが含まれていた。そんな「英国史上最悪の殺人鬼夫婦」と呼ばれる彼らの実子の一人が、英「Daily Mail」のインタビューに答え、回想録を出版すると現地で大きな話題になった。
■生き残った娘
メイさん(46)は英国内の町で夫と子どもたちと静かに暮らす、物腰柔らかで穏やかな女性である。だが、彼女には忌まわしくおぞましい過去がある。彼女の両親は、かつて英国内のみならず世界中を驚愕させた連続殺人事件の犯人なのだ。
「私が8歳の頃、食器棚の中に女物の服と靴がたくさん入っているのを見つけました。姉のヘザーと一緒にそれを着て遊んでいましたが、母は気にする様子もありませんでした。その服が家で殺された若い女性たちの物だと知ったのは、それからずっと後のことです」(メイさん)
メイさんの父親フレデリック(フレッド)・ウェストと母親ローズマリーは、1967~1987年までの間にイングランド・グロスターシャーの州都グロスターの自宅で、若い女性を少なくとも12人殺害した連続殺人犯であった。夫妻は自宅地下の拷問部屋で強姦や激しい暴行を加えた後、殺害してその遺体をバラバラにして床下や庭に埋めていたのだ。その被害者の中にはフレッドの前妻やその連れ子、二人の実の娘ヘザーも含まれていた。メイさんの姉である。
夫妻にはメイさんを含む8人の子どもがいた。うちメイさんとその姉ヘザーを含む5人はフレッドの子どもだが、残る3人は売春の客との間にできた子どもとされている。フレッドにはローズマリーや前妻以外にも、多数の女性たちと関係を持ち、子どもを複数産ませている。メイさんたちはフレッドやローズマリーによる性的なものを含む暴力に苦しめられていた。
「誤解しないでいただきたいのですが、私の家には虐待、苦悩、暴力、苦痛がありましたが、それが全てではありませんでした」(メイさん)
意外なことではないかもしれないが、メイさんは両親の凶行についてまるで知らなかったという。日常的に様々な暴力を振るわれていたが、クリスマスには家族でケーキを食べ、テレビで放映される女王の演説をそろって聞くなど、ごくありふれた英国の一家の側面もあったのだとメイさんは訴える。
だが、父フレッドの魔の手は確実にメイさんたちにも迫っていた。フレッドは常日頃から、「娘の処女を奪うのは父親の権利」と口にするような父親であった。最初は冗談かと思っていた姉妹だったが、10代前半になって腹違いの姉アン・マリーが実際に父親に強姦され、子宮外妊娠までしていたことを知ると、メイさんと姉ヘザーはタッグを組んでお互いの身を守ろうとした。
メイさんによると、16歳を過ぎた頃から、ヘザーは父親の欲望が明らかに自分へと向けられていることを感じていたそうだ。夜も服を着込んで眠り、家にいるときは妹と交代で見張りをして、いずれ何とか逃げ出そうとしていたという。そして1987年のある日、ヘザーはキャンプの仕事を得て、一時的とはいえ家から出ることに成功した。そしてそれ以来、メイさんは姉の姿を見ていない。メイさんは姉が無事逃げ出したのだと最初こそ喜んでいたが、自分に何の連絡もないことを疑問に思っていた。
「ヘザーが私たちを見捨てて行ってしまったなんて信じられませんでした」(メイさん)
だが連絡もないのは当然だった。そのときすでに姉はバラバラにされ、バラの咲く庭に埋められていたのだ。夫妻は子どもたちへの虐待や様々な犯罪行為が外部にバレることを恐れ、実の娘の口を封じることを選んだのだ。だが、実の娘の殺害にさすがのローズマリーも思うところがあったのだろうか。姉がいなくなって以後、皮肉なことに母親と残った娘たちの関係は多少改善したのだという。
メイさんは16歳で就職して家を出ることに成功する。その後、1992年頃には警察も夫妻の凶行について捜査を開始、1994年の捜索で自宅の庭から遺体の一部が発見され、ついに夫妻は逮捕された。その後フレッドは刑務所内で自殺し、ローズマリーには終身刑が言い渡された。
だが、メイさんの苦悩は事件発覚後も続く。就職して家を出た後、恋人をつくるなど人生を楽しめるようになっていたメイさんであったが、事件が発覚すると恋人との関係はあっけなく破綻、新たな友人や恋人ができても、両親についてどう説明すればいいのか常に頭を悩ませていたという。
一時はオーストラリアに移住することも考えたが、ビザが下りなかったとメイさんは笑う。また、夫が警察官の就職試験を受けて落ちたこともあった。両親の事件のことが家族にも良くない影響を与えているとメイさんは感じている。グーグル検索すれば簡単に事件の詳細が出てくる世の中である。二人の子どもが祖父母の事件について知ったときにどれだけ傷つくか、メイさんの不安の種は尽きない。
加害者の子どものための支援団体はほとんどないとメイさんは憂慮する。幸いにも彼女には多数の兄弟がいるが、それでも不安を分かち合い、相談する相手は多いに越したことはない。メイさんのインタビューと回想録の発表は、自身の悲惨な過去の克服のためだけではなく、同じような立場にある加害者家族への理解を求める側面もあるようだ。メイさんの著書「Love as Always, Mum xxx」は、今月6日に英国で発売される。
【シリアルキラー・猟奇殺人 完全紹介シリーズはコチラ】
参考:「Daily Mail(1, 2)」ほか
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提供元・TOCANA
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