チャート:米4月小売売上高、13品目中、6つで増加

rs24apr_category (作成:My Big Apple NY)

小売売上高の前年同月比は3.0%増と、前月の3.8%増を下回った。

チャート:米4月小売売上高、前年比は6カ月ぶりの強い伸び

rs24apr_yoy (作成:My Big Apple NY)

――小売売上高は税還付が押し上げたとされた3月が下方修正されただけでなく、リテール・コントロールが減少に転じるなど、さえない結果となりました。ガソリン高が響いたほか、クレジットカードの延滞率上昇や貯蓄の取り崩しが痛手となったと考えられます。実際、NY連銀の家計調査では、1~3月(Q1)期に90日以上の深刻な延滞の割合はクレジットカードで10.7%と2012年Q2以来で最悪でした。自動車ローンも4.41%と2021年Q1以来の水準へ上昇していたものです。

その他、米4月消費者物価指数は前月比で市場予想以下となったほか、米5月NY連銀製造業景況指数がマイナス15.6と市場予想の-9.9を下回り、前月の-14.3に続き2桁のマイナス幅を記録。米利下げ期待が高弱い数字が続いたものです。

結果、FF先物市場で97月利下げ観測が高まり、NY時間午後12時時点で9月利下げ織り込み度は52.7%と1週間前の48.9%から上昇。また、年内の利下げも38.8%と、2回がやや優勢となりました。

チャート:FF先物市場、9月利下げ開始予想が高まる

fedw (出所:Fedwatch)

パウエルFRB議長は5月14日、インフレ率が2%へ回帰する確信が持てるまで金利を据え置く姿勢をあらためて表明するなか、米4月CPIの子サービス(住宅除く)も自動車保険が押し上げ再加速するだけに、他のFed高官も慎重姿勢を保ちます。米4月PCE価格指数の鈍化と米5月雇用統計の弱含みが確認されれば、6月FOMCでも利下げバイアスを維持することでしょう。

編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2024年5月15日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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