KFCと消費者の認識のミスマッチ

 KFC商品の価格に妥当性はあるといえるのか。フードアナリストの重盛高雄氏はいう。

「KFCファンのなかには、チキンの肉質に加え衣とのマッチングにひかれている人も多い。コンビニのチキンや唐揚げ専門店が増えるなか、ここぞというときにKFCを訪問する人もいるだろう。10月のある日、東京都内の商業施設フードコート内の店舗でオリジナルチキン2ピースにポテトとドリンクのランチセットを注文した。この店舗は従来型のカウンター接客方式を採用しており、スタッフの練度は高く、注文から商品受け取りまで待たされたという感触はなかった。

 KFCはセット価格や感謝祭パックで『〇〇円お得』とアピールしているが、果たして消費者は同じ思いを感じているのだろうか。990円の『ファン感謝祭パックA』にしても、カーネルクリスピーを好まない客からすれば、お得度は感じないだろう。オリジナルチキンと余計な商品の組み合わせは、見せ方によって『KFCの得』にはなっても、『消費者の得』にはならない。この点がKFCと消費者の認識のミスマッチにつながっているのではないか。

 フライドチキンは毎日食べる商品ではないので、商品の品質を維持しつつの値上げは消費者から理解されるかもしれないが、値上げをごまかすかのような単品価格積み上げとの差額表示は、逆にファンを遠ざける可能性がある。オリジナルチキン単品購入の際に『部位指定を承ります』くらいの心意気があれば、KFCファンは単品310円でも購入するかもしれない。逆に何かしらのお得感がなければ、この価格での単品購入を躊躇する客は多いだろう」

(文=Business Journal編集部、協力=重盛高雄/フードアナリスト)

提供元・Business Journal

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