U23日本代表 写真:Getty Images

 大岩剛監督率いるU23日本代表は、AFC U23アジアカップ優勝によりパリ五輪出場が決定。一部で本大会におけるMF久保建英(レアル・ソシエダ)の招集が絶望的と報じられる中、イスラエル代表との一戦が不戦勝になる可能性があるという。

 イギリスの公共放送局『BBC』が今月17日に伝えたところによると、パレスチナサッカー協会(PFA)は同日にタイ・バンコクで開催された国際サッカー連盟(FIFA)の総会で、イスラエルサッカー協会(IFA)の資格停止にむけての投票実施を呼びかけ。すでにヨルダンサッカー協会をはじめ複数国がPFAに賛同するなど、イスラエル代表国際大会追放への動きが拡大しているという。

 また、PFAのジブリール・ラジューブ会長は、パレスチナ自治区ガザ地区での紛争を踏まえた上での呼びかけについて、「FIFAが他の事件と同様の厳しさと緊急性を持って行動するために、パレスチナのサッカー界はどれだけ苦しまなければならないのだろうか。FIFAが一部の戦争が他の戦争よりも重要であり、一部の犠牲者の方がより重大であると考えているのだろうか」とFIFAに即時の対応を要求。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、PFAからの要求に対して法的評価を経て、今年7月開催のFIFA評議会で決定を下す方針を打ち出したという。

 一方、IFAのシノ・モシェ・ズアレス会長は「我々はイスラエルのサッカーに損害を与えようとするPFAの皮肉でかつ政治的な困難に直面している。現在、我が国ではサッカーの試合が開催できない状況であり、一部の国民は依然としてガザ地区で拘束されている」と反論。国際社会と同様、サッカーの世界でも両国の対立が深まっている。

 イスラエル代表は1976年のモントリオール大会以来、2度目となる五輪出場権を獲得。昨年6月開催のFIFA U20ワールドカップを3位で終えるなど、国際大会で結果を残しているだけに、日本にとっては侮れない相手だ。FIFAの決定がパリ五輪開幕前の下されるのか不透明ではあるものの、今後の動向次第では日本への影響も想定される。