一部でMF久保建英(レアル・ソシエダ)のパリ五輪参戦が絶望的と報じられているだけに、同大会出場が期待されるブレンビーIF所属MF鈴木唯人。今月15日開催のデンマーク1部プレーオフのノアシェラン戦で今季公式戦11ゴール目をマーク。この一戦でも、DF伊藤洋輝、MF原口元気所属VfBシュツットガルトなど、複数クラブの関係者が視察に訪れたという。
鈴木は昨年7月にフランス1部ストラスブールでの期限付き移籍期間満了により、一度清水エスパルスへ復帰も、わずか1か月でブレンビーへ完全移籍。同クラブと2027年6月までの複数年契約を結んでいる。
今季前半戦はスーパーサブという立ち位置だった鈴木だが、今年1月以降はコンスタントにスタメン出場。デンマーク1部上位6クラブによる優勝プレーオフで、ここまで全8試合スタメン出場で4ゴール5アシストをマークするなど、チームの上位躍進に貢献。残り2試合で首位ミッティランから勝ち点2差の2位と、リーグ優勝の可能性を残している。
鈴木の去就を巡っては、オランダメディア『Voetbal』が今月6日にリバプール、トッテナム・ホットスパー、マンチェスター・シティ、シュツットガルト、バイエルン・ミュンヘン、ヴォルフスブルク、ウニオン・ベルリン、ホッフェンハイム、ソシエダ、ミラン、ナント、アヤックス、パルマ、KRCヘンクと、14クラブからの関心を報道。ドイツ紙『キッカー』は、ブレンビーIFが移籍金として2000万ユーロ(約33億3000万円)を要求する可能性にくわえて、シュツットガルトが高額な移籍金を理由に争奪戦で後れをとっている可能性を伝えていた。
それだけに、ノアシェラン戦でも複数クラブが日本人アタッカーのプレーを確認するために、スカウト陣を派遣していた模様。デンマーク紙『bold』は16日に報じたところによると、アヤックス、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、ミラン、エスパニョール、トッテナム・ホットスパー、シュツットガルトと、7クラブの関係者がスタンドから観戦していたという。
鈴木の活躍ぶりには、リバプール方面からも熱視線が。リバプールの専門サイト『アンフィールド・インデックス』は、MF遠藤航のリバプールが今夏の移籍ウィンドウで獲得すべき選手に鈴木の名前を挙げると、「南野拓実みたいな存在」とした上で、以下のように評している。
「彼はJリーグ(清水エスパルス)でプレーしていた時、チャンスをものにするのに苦労しており、決定機に対するゴールの割合が10%だった。しかし彼は決定力を向上させるために努力してきた。今季は30%にまで改善している」
決定力が改善されたという点で、高い評価を受けている鈴木。ステップアップ移籍の可能性が高まっているだけに、移籍交渉の進捗次第では、パリ五輪のU23日本代表メンバー選考に影響が出る場合も想定される。