マレーシアサッカー協会(FAM)のハミディン・モハマド・アミン会長は、帰化戦略によるマレーシア代表入りを打診したオランダ人選手から返答が得られていないことを明らかにした。インドネシアやフィリピンと同じくマレーシアも、FIFAワールドカップ2026アジア2次予選の残り2試合が行われる6月に間に合わせるべく、自国にルーツを持つ有力選手たちの帰化準備を急いでいる。
マレーシア代表は、W杯アジア2次予選グループDの4試合を終えて2勝2敗となっており、3勝1敗の勝ち点9で並ぶキルギスとオマーンを勝ち点3差で追っている。2次予選突破の可能性を残すマレーシアは、6月6日に首位キルギス、6月11日に最下位の台湾と対戦する。
今回FAMが代表入りを打診した中には、元U-20オランダ代表FWフレディ・ドライフ(26)も含まれる。同選手は190cmの長身ストライカーで、現在はオーストリアの強豪SKラピード・ウィーンでプレーしている。
代表入りが実現すれば、大きな戦力となることは間違いない。しかしマレーシアメディアによると、FAMが同選手にコンタクトを取ろうとしたところ家族がこれに応じず、現在のところ何の返答もないという。帰化戦略を推進するマレーシアだが、旧宗主国にオランダを持つインドネシア程の豊富な海外人材リソースがないことから、やや苦戦を強いられているようだ。
それでもマレーシア代表の顔触れを見てみると、イギリス出身のMFスチュアート・ウィルキン(サバFC)やDFダニエル・ティン(サバFC)、DFラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タクジム)、FWダレン・ローク(サバFC)、シンガポール出身のDFドミニク・タン(サバFC)、ベルギー育ちのDFディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)、ブラジル出身のFWエンドリック・ドス・サントス(ジョホール・ダルル・タジム)とDFパウロ・ジョスエ(クアラルンプール・シティ)、オーストラリア出身のMFブレンダン・ガン(クアラルンプール・シティ)、コロンビア出身のFWロメロ・モラレス(クアラルンプール・シティ)など、多くの海外出身選手がプレーしていることが分かる。
また、先日まで開催されていたU-23アジアカップ(兼パリ五輪予選)では、スコットランド出身でマレーシア育ちのFWファーガス・ティアニー(ジョホール・ダルル・タクジム)がU-23マレーシア代表の一員としてプレーしていた。