年を重ね、教養としてアートの知識を身につけたいと思う人は少なくないはず。アートはその作品が生まれた時代によってさまざまな特徴があり、学ぶことは多岐に渡る。中でも理解に困難を極めるのが、奥が深すぎる「現代アート」というジャンルだ。
大和書房では5月18日(土)に、書籍『「わからない」人のための現代アート入門 どう見る?どう感じる?何を見つける?』を発売する。現代アートへの理解が深まる良書なので紹介したい。
現代アートへの理解が深まる1冊が誕生
『「わからない」人のための現代アート入門 どう見る?どう感じる?何を見つける?』は、現代アートの「いま」をさまざまな角度から切り取った書籍。
著者の藤田令伊氏は鑑賞ファシリテーターとして活躍する人物。美術知識だけでなく、“見る体験”としての美術鑑賞が人をどう育てるかに着目しながら日々、鑑賞のあり方を探っている。
藤田氏は本書の中で現代アートを代表する作品を取り上げ、誰にでもわかる言葉で解説。さらには、現代アートの鑑賞が一人ひとりのスキル向上にどのように役立つのか実証している。
加えて、著者の藤田令伊さんがおすすめする美術館やアートプロジェクトも紹介。さまざまな内容を盛りこんだ1冊だ。
9章立てで多角的に現代アートにアプローチ
本書は9つの章によって構成されている。
1章では、1980年代を境に変化した現代アートの歴史的背景と流れを振り返り、その源流を紹介。
2章では、現代アートの鑑賞方法について解説。「スノビズム鑑賞」と「ポピュリズム鑑賞」を軸に、第三のアプローチを提示する。
3章では「アートのデザイン化」にフォーカス。デザインとアートの境を超える優れた作品についても紹介する。
4章では、「オーソリティ」と「アヴァンギャルド」という視点から現代アートを探求。そして5章では、現代アートを「消費」と「創造」の視点から考察し、商業的・消費的なアプローチがもたらす弊害について論じる。
6章では、現代アートと向き合うための「7つの視点」を紹介。作品への思考を深めるコツを伝授する。
7章は、現代アートの意義について根本的な問いかける。「現代アートは必要なの?」—そんな“そもそも”の問いに対する著者の答えに注目だ。
8章は「中之条ビエンナーレ」を事例としてピックアップ。アートイベントの成功要因について考察。最後の9章では、実際に現代アートを鑑賞したい人のために、130以上のアートの「場」情報を掲載する。
この1冊さえ読めば、今すぐ現代アート鑑賞に出かけて自分なりの想いや考察を巡らせながら鑑賞を楽しめるはずだ。
「わからない」人のための現代アート入門 どう見る?どう感じる?何を見つける?
著者:藤田令伊
定価:1,980円(税込)
体裁:四六判/368ページ
(IKKI)