走行距離が多い車は過走行車と呼ばれ、買取価格が下がってしまうことはなんとなく分かっている方が多いでしょう。しかし、2024年現在半導体不足による新車の納期が長期化している影響で、過走行車の価値も変わりつつあります。今までのように廃車にしたり安く手放してしまうのは勿体ないかもしれません。そこでこの記事では、過走行車の定義をはじめ、1円でも高く売却するための重要なポイントを紹介します。高価買取してくれる業者もご紹介しますので、高く買取してもらう為の参考にしてください。
過走行車とは一体何万km走った車のことを指すのかご存じでしょうか。
まずはご自身の車が過走行車と見られるかどうかを判断するため、過走行車の定義を確認していきましょう。
過走行とは、一般的には10万kmを越えた車の事を指す言葉のように思えますが、中古車の買取業界では高年式車と低年式車に分けて2つの定義があります。
◎高年式車(新車から5年以内)の場合
年間走行距離の一般的な目安は1年/10,000kmと言われており、これは日本人の通勤距離や普段使いの平均値に基づいた目安です。
高年式の中古車を買うメリットの1つに「年式が新しい分走行距離も少ない車が多い」という事が挙げられます。
1年10,000kmの目安を大幅に超えてしまっている車は「年式の割に過走行」と見られ、買取金額が下がりやすいです。
例えば、3年落ちのクラウンは平均3万キロ走っていますが、7万キロ走っていると過走行だと判断されます。そのため、市場に流通している他のクラウンよりも見劣りし、買取金額が安くなってしまいます。
◎低年式車(新車から8年以上、モデルチェンジ済み)の場合
年式が古くなり型落ちしてしまった車の過走行ラインは10万kmです。
走行距離が10万kmを越えてしまうと、国内の中古車市場では需要が一気になくなるため大幅に買取相場が下がってしまいます。
なぜ需要がなくなるかというと、低年式の中古車を買おうとする人のほとんどが「走行距離が少なくて状態の良いものを、安く買いたい」と思っているからです。
10万kmを越えた10年落ちの軽自動車を安心して買えますか?というと、故障や劣化を恐れて候補から除外する人がほとんどでしょう。
こういった理由から、10万キロを越えた車は全て過走行と判断され、買取金額が安くなります。
過走行車だと買取金額が安くなるのには以下のような理由があります。
- 足回りやエンジンの消耗が進み、故障するリスクが高い
- メンテナンスや部品交換などで余計な維持費がかかる
- 過走行は車で過ごした時間が長いため、内装の劣化が懸念される
- 買って自分が売る時にはさらに走行距離が増え、資産価値がなくなる
では、過走行車は本当に寿命が短くて価値がないのでしょうか。
実は近年、日本ではこの価値観が変わりつつあります。
2024年現在も、数年間続いている世界的な半導体不足により新車の納車が大幅に遅れています。
この影響を良い方向に受けたのが中古車業界です。
新車が手に入りにくい今、中古車の需要は非常に高くなっています。
それに伴い、一昔前であれば過走行だからという理由で安かった車にも需要が高まり、買取金額も上がっている傾向があります。
そもそも「走行距離10万kmが車の寿命である」と定義されたのは1990年代の話で、ディーラーが新車を売る為に危機感を煽り、買い替えを促すためのセールストークがルーツです。
今の車は性能も耐久性も大幅にUPしているので、メンテナンスさえしていれば10万km走行した過走行車でも寿命はまだ先の話です。
こういった背景があるため、過走行車は以前よりも需要があります。
よって、廃車と決めつけたり過走行だからといって安く売却すると、損をしてしまう可能性があります。
では、過走行車を高価買取してもらうためにはどうすればいいのでしょうか。
まずは高く買い取りしてもらうためにしなくてもいい以下の点について解説します。
- 洗車は不要
- 余計な修理は不要
- 消耗品の交換やガソリン等の補充は査定額に影響しない
- 車検を受け直すのは費用の無駄
高く売る為に車を綺麗にすることは大事ですが、実は洗車は何の意味もありません。
なぜなら、いくら洗車をしても傷は消える訳ではなく、逆に見えにくかった薄傷を目立たせてしまう事があるからです。
車の査定士はボディの取れない傷や室内の汚れを減点方式で採点しているので、「洗車していてイメージが良いから査定額UP」という事は絶対にありません。
洗車道具や洗車機に入れる費用が勿体ないので、高く売る為にという理由で洗車をするのは止めておき、代わりに内装の掃除を入念にしておきましょう。
査定額をUPさせるためにボディやエンジンなどの修理をしても、上がった査定額よりも修理費のほうが高くつき、損をしてしまうことがほとんどです。
目立つ傷があるからといって板金修理したり、エアコンが効かないからエアコンを修理してから査定に出すというやり方は止めておき、現状のままを査定してもらいましょう。
タイヤ、ブレーキパッド、ワイパー、オイルフィルターなどの消耗品は査定額に一切影響しません。
例えば、50万円の車に20万円の高級タイヤを履かせても買取金額は50万円のままです。
同じく、ガソリンを満タンにしたりエンジンオイルを入れ替えても査定額には1円も影響がありません。
査定前に消耗品に限界を感じて不安を感じた場合は、出張査定を依頼しましょう。
車検が切れそう、または切れているからといって車検を受けてから査定に出しても、プラス査定価格が車検代を上回ることはありません。
車検代はほとんどが税金なので、車の価値とは無関係です。
車検が切れている場合はそのまま走行すると交通違反になりますので、出張査定を依頼しましょう。
では次に過走行車を高価買取してもらうためにのポイントをご紹介します。
- 海外需要の高い車種であること
- 趣味性の高い車であること
- 積載性の高い車種であること
- 輸出・趣味性・積載性のある車種以外の場合
海外需要の高い車種とは、一言で言うと「トヨタ車全般」です。
海外に輸出される車は年式の規制はあれど走行距離の規制はほとんどありません。
さらに、海外では「車は数十万キロ走るもの」という考え方が一般的で、10万キロを過走行だと思っているのは世界中で日本人だけです。
トヨタの過走行車を所有されている方は、買取査定の際に自分の車が輸出される車かどうか聞いてみましょう。
「輸出需要のことを知っている」ことをアピールするだけでも、買取店は足元を見た安い買取金額を提示しにくくなります。
ちなみにトヨタ車以外にも海外に輸出される車はたくさんあり、主にSUVが輸出対象になることが多いです。
趣味性の高い車とは、オープンカー、スポーツカー、オフロード車、クラシックカーの事を指します。
こういった車種は過走行や型落ちでも、古いからこそ熱心な愛好家がいて需要がある車種が多いです。
国産のオープンカーではトヨタのソアラ、ダイハツのコペン、日産のフェアレディZ、ホンダのS660やS2000、マツダのロードスターなどが過走行でも高く売れる車種です。
ホンダS660はまだ新しい車種なので、10万キロを越えていても100万円以上で販売されています。
スポーツカーも同じく、過走行や修復歴有でも高価買取されます。
トヨタの86、スープラ、MR-S、日産のスカイラインGT-Rやシルビア、ホンダのNSXやシビックType-R、三菱のランサーエボリューション、マツダのRX-7、スバルのWRXなどです。
オフロード車はその耐久性とカスタム性、海外需要も相まって過走行でも高価買取されやすいです。
トヨタのランドクルーザーシリーズが最も有名ですが、日産のサファリや三菱のパジェロ、スズキのジムニー、輸入車ではランドローバーのディフェンダーや、JEEPなども10万キロ以上走行していても高価買取が期待できます。
クラシックカーは主に昭和の時代に人気のあった名車のことです。
これらはたとえ過走行車でも走行距離が不明でも、希少であるがゆえに高価買取されます。
ハイエースやキャラバンのような荷物をたくさん載せられる車種は、国内では商業利用や趣味の車として、海外では貨物車やタクシーとしての需要が高く高価買取が期待できます。
また、ISUZUや日野自動車のトラック、軽トラ軽バンも同様に過走行でも高価買取してもらいやすいです。
過走行車であっても、内装・外装の程度が良ければ高価買取してもらえる可能性は高くなります。
特に内装の評価は重要ですので、査定前には余計な荷物やゴミは全て撤去し、床は掃除機、パネルは濡れた雑巾で拭き上げ、シートには消臭剤を使っておきましょう。
また、過走行に加えて故障や修復歴があったりして、どうしても買取金額が付かない場合も諦めてはいけません。
通常の買取店ではなく、廃車専門の買取店に相談すれば引取りや廃車手数料は無料で、金属資源としての買取金額+自動車税などの過払い分が返金されます。
過走行車はどうしても金額が付きにくいので、過走行に加えて修復歴や型落ちなどの減額理由が重なると、どうしても買取金額が付かない場合もあります。
この項目ではそういった場合どのような売り方をすれば良いのかを、詳しく解説していきます。
- 買取店を比較する
- 廃車専門店に相談する
- 還付金があるうちに売却する
担当者の感じが良いからといって買取店を1社のみで決めるのはNGです。
必ず最低3社は比較し、最も買取金額の高いお店に売却しましょう。
比較し競合を発生させなければ買取店は査定額を上げる理由がなく、こちらも本当の買取金額のMAXがいくらなのか判断できません。
少し手間がかかるかもしれませんが、一括査定や出張査定サービスを利用して必ず比較を行いましょう。
通常の買取店はオートオークションや店頭で売れる見込みがあるかどうかで買取金額を決めるため、需要のない車の買取金額は0円になってしまうことがあります。
ディーラーでは0円どころか査定料や廃車手数料を取られてしまうこともあります。
ディーラーや買取専門店で価格がつかなかった場合は、廃車の買取専門店に買取を依頼するのがおすすめです。
廃車専門の買取店は値段の付かない車を金属資源として値段をつけたり、他社にはない独自の輸出ルートによって高価買取を実現しています。
そして専門業者のほとんどが引取り手数料や手続き代行料を無料にしているので、余計な費用を引かれることもありません。
さらに、過払い分の自動車税等も戻ってくるため、廃車専門店に売却すれば買取金額+還付金という形で現金化できます。
過走行で金額がどうしてもつかない場合、自動車税の還付金があるかどうかが重要です。
軽自動車には自動車税の還付金制度がないため一度支払った税金は戻ってきませんが、普通車の自動車税は、下記2通りの場合に還付金を受け取れます。
- 売却後に名義を一時抹消登録した場合(車はあるが、車検もなく誰の名義でもない状態)
- 売却後に名義を永久抹消登録した場合(車を廃車にして解体し、誰の名義でもない状態)
では10年落ち1800ccの車を8月に売却した際の還付金を例に見ていきましょう。
<還付金例>【10年落ちの普通車(1800cc)を8月1日に廃車として売却した場合】
支払い済み自動車税39,500円のうち
4月~8月分は納税義務が発生、9月~3月分は還付金として受け取れる
(39,500円÷12)×7ヵ月(9月~3月分)=約23,040円
これが還付金として受け取れるおおよその金額となります。
一度支払ったものが返ってくるだけとはいえ、買取金額にこの還付金が上乗せされると嬉しいものです。
注意点としては、軽自動車税には還付金制度がないため、4月1日に所有している時点で軽自動車税の請求は車検証上の所有者へ届きます。
軽自動車を買取してもらう際は4月になる前に名義変更できるような日程で引き渡しましょう。
最後に、過走行車でも高価買取してくれる業者を厳選して3社ほどご紹介します。
- カーネクスト
- カーセブン
- MOTA車買取
商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。
商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。
商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。
過走行車の買取に関するよくある質問にお答えします。
- なぜ海外では過走行車に値段が付くの?
- 過走行の高年式車を買うのって危ない?
道路環境の違いはありますが、海外諸国が過走行を気にしていないのではなく、日本人が走行距離を気にし過ぎなのです。
トヨタ車は特に故障が少ない為人気で、海外では50万キロを越えたプリウスやカローラが沢山活躍しています。
年式が新しいのに短期間で過走行になっている車は高速道路での移動や長距離通勤をしている車です。
年式が新しいので経年劣化は進んでいませんが、オイル交換などのメンテナンスをしっかりされているかが重要なポイントとなりますので現物をしっかり確認してから購入すべきでしょう。
一昔前は10万キロオーバーは車の寿命と言われていましたが、半導体不足の影響から現在では走行距離が伸びていても買取金額がつくケースが増えています。
昔のイメージにとらわれず、まずは買取店を比較して1円でも高く売却しましょう!