■目線の高さを変えて 生活スペースとは別空間に
●東京都/ST邸
リビングに足を踏み入れた途端に、壁一面に収納された、LPレコードが目に飛び込んできた。その数、約6千枚。
STさんが中学生の頃から45歳の現在までに集めたジャズ、ソウル、ヒップホップのブラックミュージックや映画音楽など。レコード店かと見まごうばかりの膨大なコレクション。
「レコードの他にも靴や洋服が多過ぎて、収納しきれなくなり、引越しするつもりでいました」
ところが、近年の不動産高騰により住み替えを諦めたという。
「ここをリノベーションして住み続けようと方針を変えました。収納の問題を解決できて、できればワークスペースもほしいと……」
典型的なファミリー層向けの広さと間取りのマンションで希望が実現するか半信半疑だった。専門業者数社に相談してみたところ、ダントツによかったのが「リノベる。」のプランだったという。
「限られたスペースの中で、ワークスペースを造ってくれた。この提案力にやられたと思いました」
「リノベる。」のリノベプランは、玄関を入って左側の、個室や水回りがあるサイドを少しずつ縮小して、ワークスペースを造り出すというもの。また、リビングとダイニング、ワークスペースの天井を取って約10㎝分高くした。
こうして生み出したミニ書斎は約1.6㎡で、床より約1m高い。コンクリートの天井まで高さ約160㎝。お洒落なロフト風のミニ書斎に生まれ変わった。
STさんは夫妻で在宅勤務を行うほか、親子で共有することもあり、家族みんなで使っている。壁に沿って子どもの勉強と親の仕事が一緒にできるようにと、L字形のデスクを備え付けた。
ドアや仕切りを設けないで、オープンな造りにしたので、ミニ書斎からはリビングを見渡せる。リビングの様子を見守り、体を乗り出せば子どもが玄関から出かけるときも見送ることができる。
「こんなにオープンなのに、デスクに向かって仕事をするときは、下にいる家族と目線の高さが違うので、仕事がしやすいんです」とSTさん。
床の高さを1m上げたことによって、生活空間とは別の空間となり、仕事に集中できる。高低差を生かしたアイディアはリノベーションの可能性を教えてくれる事例といえる。
デスク脇の棚には好きなアートやレコードジャケットを飾り、デスク上には、リビングのターンテーブルとは別にレコードプレイヤーも置いてある。今後はデスクの照明を可動域のあるものに替えることを考えているそうだ。
「在宅勤務のときにも、たまに音楽を聴きながら作業をすることがあります。落ち着いて仕事ができるので、快適ですね。リノベーションをして本当によかった」
仕事の合間に、プレーヤーでBGM用のレコードをかけることも。ジャズの「RONNIE FOSTER」のオリジナル盤を聴くSTさん。
デスクの上にはワイヤレスのスピーカーが置かれている。
レコードコレクションの棚にはまだ余裕があり、新しいレコードを追加することも可能だ。何よりも膨大なコレクションを収納しつつ見せることによって、STさんのこれまでの人生と趣味が詰まった空間となった。
仕事の合間にレコードコレクションを上から眺め、音楽を聴く。ライフスタイルを生かした、理想的なワークスペースにSTさんも大満足だ。
●秘密基地造りの3箇条
1,高さを生かして造るスペース。
2,目線の位置を変えた別空間。
3,特注の棚で無駄なく収納。
●Owner’s voice
コスト面を考えて多くの要望を出さなかったのですが、想像以上のプランを提案していただき満足しています。
【取材協力】
リノべる。
東京都港区南青山5‐4‐35 たつむら青山ビル
03-5766-2590
https://renoveru.co.jp/
文/阿部文枝 撮影/遠藤 純
提供元・男の隠れ家デジタル
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