シンプルな壁面のように見えていた戸棚が、くるりと回転してオープンシェルフになる──ドイツ生まれの革新的な家具がある。
ヘティヒ・グループの旋回金具システムFurnSpin(ファーンスピン)が「レッド・ドット・デザイン賞 2024」の“Innovative Products Category”(革新的製品部門)を受賞。さらなる注目を集めている。
オープンにもクローズにもなる「FurnSpin」
1888年設立、老舗家具用金物メーカーのヘティヒ社。ドイツに本社を置き、ブランドを支える「一貫性のある価値」「品質」に加え、革新的な製品を生み出す「イノベーション」を目標に掲げる。
同社のFurnSpinは、これまでにない旋回式家具用金具システムだ。一般的にキャビネット家具には開き扉、引き扉、折れ扉、上げ下げ扉などがあり、オプションで付け替えできることはあるものの、購入後のアレンジは容易ではない。
時間の経過とともに当初の設置場所や使用目的と変わってきても、買い換えるしか選択肢がなく、不便を我慢して使うこともある。しかしこのシリーズは、キャビネット自体が軽やかに回転。クローズからオープンへと家具のスタイルが変化する。
クローズ時は壁面と同一化するほどシンプルに、オープンにすれば収納物を一覧でき、あえて中身を見せる飾り棚のようにも使える。来客時など生活感を見せたくないときの、オン・オフの切り替えにも活躍する。
キャビネットはごく軽い力で回転し、スタイリッシュに部屋の印象を一変できる。キッチン、バスルーム、リビング、オフィスなど多様なシーンでの使用を想定する。
権威あるレッド・ドット・デザイン賞を受賞
レッド・ドット・デザイン賞は、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催する、世界で最も権威ある国際デザイン賞だ。
プロダクトデザイン、ブランド&コミュニケーションデザイン、デザインコンセプトの3つのセクションに毎年約20,000件もの応募があり、世界中の優れたデザインが厳しく審査される。
FurnSpinはすでに国際見本市「インターツムアワード2023」の最高賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞し、ドイツやイタリアなどの展示会でも反響を得ているが、さらなる栄誉が加わった形だ。
日本に向けては2023年にFurnSpin S、FurnSpin M、FurnSpin XLを発表。ヘティヒ・ジャパン社が問い合わせを受け付ける。ユニークなギミックで部屋の印象を一新できるデザイン家具、模様替えにいかがだろうか。
(SAYA)