物件オーナーに対する融資事業も
以上は物件を借りる側の店子向けサービスだが、Rukitaは物件を貸す側である大家向けのサービス「RuFinance」も展開している。OCBC銀行と連携した金融事業だ。
このあたりも、近年のホテル予約サイトと似たような事業展開と言える。既存のホテルに対して改築費用を融資し、サイトの掲載基準に見合ったクオリティーの施設にするビジネス方式が存在するが、Rukitaの場合も「物件オーナーへのサポート」が質の良い物件を確保する近道だと考えているようだ。なお、この金融事業はOJK(インドネシア金融庁)の認可を得ている。
日本のVCも投資、海を越えたシスターフッド
そんなRukitaは2024年3月、シリーズB1投資ラウンドで1500万ドルの資金を調達した。このラウンドには日本のベンチャーキャピタルMPower Partnersも参加している。Sabrina Soewatdy氏とSarah Soewatdy氏の姉妹が共同で設立したRukitaを、創業者3人とも女性であるMPower Partnersが支援した形だ。MPower PartnersのLinkedinでは、この投資を報告する投稿で「女性起業家とスタートアップのエコシステムを変える女性たちの支援に専念しています」と語っている。
TNGrobalの記事によると、2019年創立のRukitaはわずか4年で140万の取り扱い物件数と月間300万のユニークユーザーを抱えるに至ったとのこと。今や、都市部への移住を考えるインドネシア国民にとって、Rukitaに表示される賃貸物件は有力な選択肢となったのだ。
大学生や地方からの出稼ぎ労働者など、都市部にはさまざまな背景を持つ人々が今も押し寄せている。彼らに安全な住宅を提供することは、結果として治安問題や公衆衛生・環境問題にもつながっていく。Rukitaは単に「ホテル予約サイトのようなプラットフォーム」ではなく、大都市ならではの問題解消に光を当てるサービスとして国際的にも注目されているのだ。
参照:
Rukita
TNGrobal
PR TIMES
(文・澤田 真一)