1000万ドル以上の資金調達に成功

JALAは昨202311月、現地ベンチャーキャピタルIntudo Venturesが主導するシリーズA投資ラウンドで総額1310万ドルの資金調達に成功した。

この資金はスマトラ島、スラウェシ島、ヌサ・トゥンガラ地域での事業拡大に活用されるという。ここで注目すべきはヌサ・トゥンガラ地域。バリ島以東の西ヌサ・トゥンガラ州、東ヌサ・トゥンガラ州は火山群島から成る細長い州で、豊かとは決して言えない土地だ。特に東ヌサ・トゥンガラ州はジャワ島やバリ島よりも遥かに降水量が少なく、大規模農業に適した平地も極めて少ない。

そのような地域にこそ、JALAが提供するようなスマート養殖システムが求められるはずだ。

一次産業こそ有望株

JALA、そしてスマート養殖給餌器を提供することで急成長を遂げたeFisheryはインドネシア政府が巨大な期待を寄せる企業である。

地域間の経済格差問題、仲買人問題、国内出稼ぎ問題、そして食料自給率問題まで一気に解決してくれる可能性のあるアグリテックスタートアップは、今やインドネシアの花形分野となりつつある。それは「農業や漁業は辛いだけで儲からない、格好悪い」というイメージから「一次産業こそ有望株」というイメージへの大転換をも意味する現象だ。

今後もインドネシアのアグリテック分野から目を離すことはできない。

参照:
JALA Tech
NU Online Lampung

(文・澤田 真一)