長野県の野沢温泉村にある「野沢温泉蒸留所」は、世界的に権威のあるスピリッツの国際品評会「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2024(SFWSC2024)」において、輝かしい成績を残した。
ここでは同蒸留所と、世界的に評価されたクラフトジンについて紹介したい。
豊かな自然の中にある「野沢温泉蒸留所」
「野沢温泉蒸留所」は、かつての缶詰工場を改装し、2022年12月にオープン。北信州・野沢温泉村の美味しい山の水と、地元産の食材やボタニカルを使用した、少量生産のウイスキーとクラフトジンの製造を行っている。
ウイスキーやクラフトジンの製造を通じて、野沢温泉の豊かな自然を表現したスピリッツを多くの人々に味わってほしいと、取り組んでいる蒸留所だ。
ジン部門で最多のメダルを受賞した蒸留所
2000年に創設された「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」は、この分野で最も伝統ある世界最大のコンペティションだ。
世界中から5,500近いエントリーがあり、そのうちジン部門だけでも400以上のエントリーがある。
そんな同コンペティションで、同蒸留所のクラフトジンは、4つのダブルゴールドメダルとゴールドメダルを1つ獲得し、日本の蒸留所の中で最高の結果を残した。
今回の受賞で「野沢温泉村の豊かな自然環境を生かした、ワールドクラスのスピリッツを製造する」という、同蒸留所のひたむきな姿勢があらためて評価された形となった。
ゴールドメダルを受賞したクラフトジン
同コンペティションでゴールドメダルを受賞したクラフトジンについて、いくつか見てみよう。
ダブルゴールドを受賞したのは、「NOZAWA GIN(ノザワ・ジン)」「CLASSIC DRY GIN(クラシック・ドライ・ジン)」「DOSO GIN(ドウソジン)」「樽熟成ジン」の4種類。
「NOZAWA GIN」は、爽やかな味わいが特徴のシグネチャードライジン。森の中を歩いているような、香ばしい香りと爽やかな味わいが特徴だ。
「CLASSIC DRY GIN」は、伝統的なロンドン・ドライ・ジンにインスピレーションを受け、レモンと地元の山椒の香りが引き立つ1本となる。
一方、ゴールドメダルを受賞した「IWAI GIN(イワイ・ジン)」は、爽やかなグリーンシーズンのイメージが感じられるユニークなクラフトジンだ。
注目の樽熟成ジンが、6月上旬に数量限定発売
今後の同蒸留所の動きで特に注目すべきは、これから限定発売されるバレルエイジド=樽熟成のクラフトジンだ。
この「樽熟成ジン」は、今回ダブルゴールドメダルを獲得したジンの一つで、世界最高のバレルエイジド・ジンの最終選考に残っている。
この革新的な「樽熟成ジン」は、バーボンとメープルシロップが貯蔵されていたアメリカンオークのホワイトカスクでじっくり熟成したもの。生産量は限定400本で、6月上旬に発売を予定している。
ジンが好きなら、世界的に評価される「野沢温泉蒸留所」のクラフトジンを試してみては。
(田原昌)