車選びの基準は人によってさまざまであり、なかには「ステータス性」をもっとも重要と考える人もいるでしょう。レクサスやメルセデス・ベンツ、BMWをはじめ、高級車としてのイメージが定着している車に憧れる人も多いと考えられます。
そうした高級車は「購入した人の財力」を示す面が強いことから、「現行モデルを新車で買ってこそ意味がある」という主張も目にします。しかし高級車はメーカーの技術の結晶ですから、旧型になっても高性能であることにかわりなく、中古でのコスパは優れているのかもしれません。
今回は高級車を中古で購入したことのあるオーナーの方々に、「あえて中古の高級車を選ぶ意味」について話を聞きました。
高級輸入車は高年式でもお得?
やはり中古で高級車を購入するメリットは、予算に対して性能や質感を高められる点にあります。2年前にメルセデス・ベンツのEクラスを購入したという男性は、次のように話します。
「もちろん新車で買えるなら、それに越したことはないんですけどね。ただこのEクラスなんか、3年落ちで新車の半額近い値段で買えたものですから、やっぱり予算に限りがある自分としては嬉しい選択肢でしたよ。
こういう車を買う人は、新車で買うというステータスの部分にお金を払っているところも大きいでしょうから、それが中古価格の安さにつながっていると思うとありがたいですね。正直、傍から見たら中古で買ったかどうかなんてわかりませんし。
自分としては昔からベンツに乗ってみたくて、実際に内装やボディ剛性、ハンドリングなど、どこを取っても感動ものだったので、本当にいい買い物をしたと思っています。
まだ初回の車検を通しただけなので、これからどのくらいお金がかかるのかはわかりませんが、今のところ維持費も大きめの国産車と変わらないイメージですね」(40代男性)
新車であれば普及価格帯の車種を狙う予算でも、中古であれば数年落ちの高級車が視野に入ってくるのはたしかに魅力的です。とくに輸入車の場合、ステータス面から「新車購入」を重視するオーナーが多く、一方の中古は「維持費が高い」というイメージから敬遠されやすいこともあり、高年式車でも大きく価格が下落する傾向にあります。
誰がどう使ったかわからないというリスクはあるものの、選択肢の1つとして考えてみるのもいいかもしれません。
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150万円でレクサスオーナーになれるなら買うしかなくない?
150万円でレクサスオーナーになれるなら買うしかなくない?
とにかく「安く高級車に乗ってみたい」という人にとって、中古車は真っ先に思い浮かぶ選択肢でしょう。なかには中古車店を訪れてみて、「こんなに安いのか」と驚く人もいるようです。
「最初の車に8年落ちのレクサスGSを買いました。昔からブランドものが好きなんですよね。やっぱりモノが違いますし、ブランドロゴを見れば一目で高級だとわかってもらえるというか。
でもさすがに、車は別に高級車じゃなくてもいいかなと思っていたんです。そもそも手が届かないですしね。でも、中古車屋さんを見に行ったときに、150万円ちょっとでGSが売りに出されていて。『レクサスってこんなに安く買えるの?』と驚いて、そのまま契約しちゃいました。
『どこかおかしいんじゃないか』とも思ったのですが、調べてみると相場的には全然普通で、あぁこんなものなのかと。中古ってめっちゃ得だなと思いましたね。
見た目はさすがにちょっと古い感じですけど、静かで乗り心地もいいですし、やっぱりレクサスに乗っているっていうのは気分がいいです。
困ったのは本当に、サイズに慣れるまでしばらくかかったことくらいですね。教習車より二回りくらい大きかったので。まだ買って1年ですけど、どこも壊れてないですし、街でも被らないので、満足度はかなり高いですね」(20代男性)
たしかに「レクサスが150万円」とだけ聞くと、かなりお得な感じがします。レクサスオーナーとしてのステータスを手にするための価格としては、相当に低いのかもしれません。
ただ、優雅なおもてなし空間として知られる「レクサスオーナーズラウンジ」などを利用するためのオーナズカードを発行してもらうには、新車またはレクサス認定中古車の購入が必要です。そうした特典が目的であれば、レクサスの正規ディーラーで車両を選ばなくてはいけません。
とはいえメーカーそのもののブランド力を重視する人にとっては、少し古いモデルを中古で選ぶのも選択肢になるでしょう。その場合には、車体の安さだけを見るのではなく、排気量や年式など、「維持費にどれだけかかるのか」をあらかじめ見積もっておく必要がありそうです。
高校生時代の憧れの車、20年越しに購入
高級車に限らず、中古車を購入する際に気になるのが車両の状態でしょう。とくに低年式の車両では、修理やメンテナンスの費用がかさみ、「新車の方がトータルで安かったのでは」という状況に陥ることもあるようです。
しかしいくら費用がかかったとしても、「憧れの車に乗れるよろこび」を優先しているオーナーもいます。
「高校生のときに見たBMWのE63の6シリーズがカッコよくて、いつか乗りたいと思っていたんですよね。でも、結婚してからずっとファミリーカー1台で、なかなか手を出せずにいて。
ただ最近は独立して仕事も軌道に乗ってきたので、妻から好きな車を買い足していいと許可が出たんですね。それで、念願の6シリーズを90万円くらいで買ったんです。2005年式なので安いんですけど、古すぎてなかなか近くにタマが見つからずに苦労しましたね。
維持費も正直、かなり高いです。4,400ccで、しかも重課税ですから、自動車税だけでも9万円とか。燃費も悪いし、ちょこちょこ直すところも出てきますし、ファミリーカーの3倍くらいかかっていると思います。妻はやっぱりいい顔はしないので、いつ手放せといわれるかヒヤヒヤしていますが……。
でも、自分としてはそれだけ払っても乗りつづけたいくらいの魅力はありますよ。古くてもエンジンは元気ですし、当時は1,000万円超えの車だけあって、走りに優雅さを感じますね」(30代男性)
高額な維持費を支払ってまで古い車に乗る、というのはあまり理解されない価値観ですが、「この車が好き」という直感はほかの何にも代えがたいものです。ステータス性を除いても、「中古で高級車」はかつての純粋な憧れを実現するための手段になりうるのでしょう。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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