変革はスタジアムと専門家のコラボから

今後数年間でさらに変革を起こしてくれそうなウェンブリー・スタジアム。次に筆者が待ち望んでいるのが試合会場でのパッケージリサイクルだ。現在(2024年5月時点)同施設内にはレストランやバーを含む飲食スポットが688も存在しており、そこから発生するゴミの量は想像を絶する。そこで期待したいのがリサイクルピッチ同様、専門分野の研究組織とタッグを組んだ最新鋭の取り組みだ。

例えばロンドンのリサイクルパッケージ研究グループ『Notpla』では、2013年に海洋生素材として海藻を原料にした食べられるパッケージ「Ooho!(オーホ)」を開発し話題を呼んだ。これは液体を弾力性のある食用膜(Ooho)に閉じ込めることで持ち運びを可能にし、最終的にはOohoごと食べられるという画期的なもの。同団体と手を組めば、数年後にはビッグマッチを観戦しながらOohoに包まれたビールやサイダーをパクリと頬張るファンの姿が見られるかもしれない。

ウェンブリー・スタジアムが実現させた世界初「100%リサイクルピッチ」を皮切りに、筆者が思い描くパッケージリサイクルのアイデアを含め、各国のサッカースタジアムのさらなる取り組みに期待が高まる。ヨーロッパ諸国はもちろん、日本のスタジアムにとっても良い刺激となりそうだ。