「どんな車でも10万円買取できる」との噂を聞いて、思わず検索した結果、この記事に辿り着いた人が多いのではないでしょうか。結論からいうと、「どんな車でも10万円で買取」は不可能で、そのような業者は存在しません。しかし「どんな車でも値段をつけて買い取ってくれる業者」は存在しますし、「どんな状態でも10万円以上つく特定のジャンル」も存在します。本記事では、なぜ「どんな車でも10万円で買取」が不可能なのかを説明し、どんな車でも金額をつけて買取ってくれる業者や、10万円以上で買取してもらえる特定ジャンルについて詳しく解説します。
車の価値は、「①中古車としての価値」と「②金属資源としての価値」の2つに分類され、それに加えて特定の条件を満たせば「③自動車税などの還付金」を受け取ることができます。
まずは、どんな車でも10万円で買取りすることができない理由をこの①②③の観点から解説し、ます。
中古車はその年式や走行距離、修復歴の有無などによって価値が10万円を下回る場合があります。
具体的には、以下のような条件が複数重なると買取金額が10万円を下回ることが多いです。
- 10年落ち以上
- 走行距離10万km以上
- 修復歴がある
- 不人気車種・不人気カラー(黒・白以外)
- 外装に大きな傷や凹みが多い
- 内装に異臭、シート汚れ、破損がある
- 車検切れ
買取られた後は、整備や車検を受けて20~30万円で販売されています。
市場で中古車としての価値がない過走行車や事故現状車、不動車などはスクラップ、つまり金属資源としての買取となります。
一般社団法人日本鉄リサイクル工業会では、毎月変動する鉄スクラップの価格を発表しています。
1t当たりの鉄スクラップ価格の推移(3か月分)
年月日 | 北海道 | 東北 | 関東 | 中部 | 関西 | 中四国 | 九州 | 関東・中部・関西 3地域の平均値 |
2024/2 | 48,000 | 50,500 | 53,000 | 52,500 | 53,500 | 53,000 | 53,000 | 53,000 |
2024/1 | 48,000 | 50,500 | 52,000 | 52,500 | 54,000 | 53,000 | 53,000 | 52,800 |
2023/12 | 48,000 | 50,500 | 51,500 | 51,000 | 52,000 | 51,000 | 51,000 | 51,500 |
2024年2月の平均相場を、車に当てはめて計算してみると以下のようになります。
(※普通車を1.5t、軽自動車を0.8t、車の2分の1が金属資源として計算)
- 普通車……(53,000円÷2)×1.5=39,750円
- 軽自動車……(53,000円÷2)×0.8=21,200円
2024年時点では普通車の金属資源としての価値は40,000円前後、軽自動車は21,000円前後となります。
いずれも10万円を超えることはないため、金属資源としての買取となる車は10万円での買取は不可能ということが分かります。
普通車を廃車にして名義を抹消した場合は自動車税の還付金を受け取ることができます。これは買取金額とは全く別物で、自動車税を支払っている人は受け取る権利があります。
普通車を廃車にして名義を抹消した場合は自動車税の還付金を受け取ることができます。これは買取金額とは全く別物で、自動車税を支払っている人は受け取る権利があります。
自動車税の還付金が10万円を超えるのは6000cc以上の大排気量車種を自動車税の全額(111,000円)を支払った翌月(4月)に廃車にした場合のみです。
これは一度支払った税金の一部が月割り計算で返ってくるだけなので、買取金額とは全く関係がなく、プラスになるわけでもありません。
この自動車税の還付金と買取金額を合算して「買取金額は10万円」と説明する買取業者もいることに注意が必要です。
ちなみに、軽自動車には自動車税の還付金制度はありません。
下取り金額と買取金額は同じだと思っている方も多いでしょう。
実は似ているようで全く内容が違うため、その違いを理解することが先決です。
下取り金額とは、次の車を買うことを前提とした買取における売却額のことです。
つまり、仮に1円の価値もない車を10万円で買取したとしても、その分次の車に利益を乗せて高く売れば業者側にはトータルで利益が出ます。
これに対して買取金額とは、純粋な車の市場価値に基づいて値段を付けて買取り、次の車に乗り換える等の制約がないことを指します。
よって、仮に「最低10万円で下取り」とうたっている業者がいた場合は、その業者は次の車の販売で他社よりも10万円多く利益を取ることで下取り10万円を達成していることになります。
車を乗り換える際はこういったうたい文句や営業トークに惑わされず、車そのものの純粋な買取価格で売り先を判断すべきです。
一般的な常用車や軽自動車では、年式が古いものや走行距離が多いものは買取金額は10万円を下回りますが、特定のジャンルに絞って買取相場を見ると、10万円を下回らないジャンルも存在します。
では、それがどのようなジャンルなのか見ていきましょう。
昭和の名車や当時のスポーツカーはクラシックカー(旧車)と呼ばれ、希少価値が高いためどんなに状態が悪くても部品そのものに価値があるため10万円を下回らない車種があります。
スポーツカーでなくても、ホンダシティや日産フィガロ、トヨタのパブリカのようなコンパクトカーもレトロな外見が評価されていて人気があります。
さらに、近年では1990年代の名車を「ネオクラシック」と呼び、人気が高まっています。
令和では存在しない高級ワゴン(セドリックワゴン、グロリアワゴン、クラウンワゴンなど)が特に人気のジャンルです。
こういった車を査定に出してみると、状態が悪くても10万円以上で買取ってくれる場合があります。
MT車限定ですが、スバルのWRXや日産のフェアレディZ、スカイライン、シルビアなどのスポーツカーは発売当初から現在に至るまで中古車市場では常に高値で取引されています。
スポーツカーは修復歴があっても価値が下がりにくく、年式が古くなるほど人気が再燃する傾向があります。
輸入車ではメルセデスベンツやBMWのスポーツグレード、ポルシェ、アルファロメオ、マセラティなども10万円を下回ることはほとんどありません。
上記のようなスポーツカーを所有している場合は、どんなに状態が悪くても10万円以上の買取を目指して買取店を比較検討しましょう。
フェラーリなどのスーパーカーや、ベントレー等の超高級車も、どんなに状態が悪くても買取金額が10万円を下回ることはありません。
事故で大破した車両ですら数百万円で取引されることもあるため、1000万円を超える高級車をお持ちの方は事故で動かなくなったとしても諦めずに買取店へ相談しましょう。
どんな車でも10万円は難しいですが、少しでも金額をつけて買取するという「買取保証」を行っている業者はあります。
もし、値段が付きそうにない車を売却したいのであれば、以下の業者に相談することをおすすめします。
商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。
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A.もし存在したら、20年落ち走行距離20万kmの水没事故車や、森の中で放置され朽ち果てた車でも10万円以上で売れて何十万円という値段で市場に出回ることになります。
このような事態はありえないため、どんな車でも10万円以上で買い取る業者は存在しません。
A.税金等の還付金を含めて3万円は実現可能かもしれませんが、買取業者の利益はほとんどない為実施している業者はほぼありません。
5万円は不可能でしょう。
どんな車でも10万円で買取してくれる業者は存在しませんが、買取保証を実施している買取店へ売却し、自動車税の還付金と合算することで10万円に近付けることは可能です。
次の車にお得に乗換えるためにも、まずはどんな状態の車でも査定に出して1円でも多く手元に現金を残す努力をしてみましょう。