あえてカード型Suicaにする

 モバイルSuicaをめぐっては、コンビニなどの小売店のレジで決済を試みたところ、自身のスマホには決済完了の通知が届いたが、店舗側のレジでは決済エラーになってしまい、商品を購入することができず、さらにその場で店舗側から返金もしてもらえないという事例がしばしばSNS上でも報告されている。

「店員の操作ミスや、店舗側の決済端末の機械トラブルが考えられます。利用者側のスマホアプリでリアルタイムに表示された決済履歴はまず間違いありませんので、投稿者の方のスマホで決済の通知が来たのであれば、決済はきちんとできていたと考えるのが妥当です。アカウントが持つ残高や決済履歴をサーバーで管理して決済などの処理をするため、アプリを利用できて決済通知が来たということは、サーバー通信が正常にできているということですので、このような決済エラーは原則ありえないからです。

 Suicaや『PASMO』だけでなく『nanako』『waon』『楽天Edy』などの電子マネー決済では、まずスマホを店舗側の読み取り機にかざして、店の読み取り機から店のレジにデータが伝達されます。ですから、たとえば店の読み取り機とレジ間の伝達ができていなかったり、店員がエラーだと勘違いしたりしていただけで、実はきちんと決済ができていたという可能性が考えられるでしょう」(3月19日付当サイト記事より)

 前出の大手SIerのSEはいう。

「現在では決済やEC、デリバリーなどあらゆる機能・サービスをオールインワンで一つのアプリに搭載するスーパーアプリで顧客を囲い込もうとする動きがある。ユーザーにとっては便利である一方、システム障害などでそのアプリが使えなくなった場合には何もできなくなってしまう。また、複数のアプリを使い分けていても、そのアプリを入れているスマホを紛失したり使えなくなってしまうと、これまた何もできなくなってしまう。なのでITに詳しいエンジニアのなかにも、スマホのQRコード決済アプリを使ってはいるけど、SuicaやPASMOはカード型のものを使っていて、かつ常に一定額以上の現金を持ち歩くようにしているという人は少なくない。また、航空券などのチケットもスマホのキャッシュレスチケットではなく、あえて紙に印刷して空港に持っていくという人もいる。

 このように複数の手段を使い分けるのは手間でもあるし、形のあるものを持ち歩かなければならないという手間も生じるものの、何かあった際のトラブルや手間、時間的ロスなどと天秤にかけて考えるというのも重要。今回のような障害が現実に起きることを踏まえれば、決済も電車乗車券もモバイルSuicaに頼って現金を持ち歩かないというのは、ちょっと危険だといえる」

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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