GK:野澤大志ブランドン(FC東京)
今大会グループリーグ第3戦の韓国戦で出場したGK野澤大志ブランドン。昨2023シーズンは所属するFC東京で出場機会を掴み、さらに今年1月に行われたAFCアジアカップカタール2023のメンバー入りも果たすなど飛躍のシーズンを送っていた。
しかし、今大会では韓国戦を除くすべての試合でGK小久保玲央ブライアン(SLベンフィカ)が起用され、数的不利に立たされた初戦の中国戦ではスーパーセーブを披露するなど活躍。この世代の守護神候補筆頭であるGK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)が不在の中でも野澤は控えとなってしまった。さらに唯一出場した韓国戦では、相手コーナーキックの場面において飛び出すもボールに触れずヘディングでゴールを許してしまう。
大会を通して好調だった小久保との比較、そして韓国戦での判断ミスともいえるこのプレーから野澤のメンバー入りは危ういと言わざるを得ない。加えて所属クラブでは、GK波多野豪が期限付き移籍先のV・ファーレン長崎からFC東京に帰還。開幕からここまで多くの試合で波多野がゴールマウスを守っており、野澤が一発逆転での五輪メンバー入りを狙おうにも、アピールするチャンスが少なくなっている。限られた時間の中でクラブの定位置を確保し、韓国戦でのミスを消し去るようなパフォーマンスを見せられるか。窮地に立たされた野澤の逆襲に期待したい。
DF:西尾隆矢(セレッソ大阪)
昨2023シーズンは所属するセレッソ大阪での出場機会が限られたDF西尾隆矢。それでも、この世代の守備陣中核として昨年3月の欧州遠征にも参加している。今大会にも招集されたDF木村誠二(サガン鳥栖)、DF鈴木海音(ジュビロ磐田)と並び五輪出場に向け経験を積んできた。
もちろん本戦出場が懸かった今大会においてもセンターバックとして大いに活躍を期待されたが、初陣の中国戦で左ひじが相手選手に当たり一発退場。幸先良く先制したゲームだったが、数的不利の影響もあり特に後半は危険なシーンも作られた。軽率とも取れる行為からの退場により、以降3試合の出場停止となったことも西尾の本大会メンバー入りが危ぶまれる要素の1つだが、もう1つ大きな理由はDF高井幸大(川崎フロンターレ)の活躍ぶりだ。
高井は今大会、西尾の出場停止の影響もあってかグループリーグ第2戦のUAE戦を除くすべての試合に出場。安定した働きで日本の優勝に貢献したこともあり、現時点で完全に序列をひっくり返した印象を受ける。さらに今大会2ゴールを挙げ攻撃面でも貢献した木村の存在や、センターバックにオーバーエイジ枠を使う可能性を考慮すれば、西尾の招集が見送られても不思議はない。