実用に供する技術開発により、EV車アフターマーケット市場でのワイヤレス給電利用を容易にし、早期の普及拡大を目指す
【ワイヤレス給電搭載EV車】
【ワイヤレス給電の基本構成】
<開発の概要>
(1)後付け可能な車載装置
・市販EV車の給電プラグに対応した車載装置により、車両の部分改修で装置の後付けを可能としました。改造自動車としての届出は不要です。
(2)給電電力を最大化する制御技術
・誘導加熱製品で培った制御技術の応用により、給電開始時に最適な周波数に調整することで、コイル間の位置ずれにおいても給電電力の最大化が可能です。
(3)最大出力45kWで給電
・1台の装置に、SAE規格WPT3(出力11.1kW)に準拠したインバータを4台内蔵し、出力合成により最大出力45kWの給電が可能です。
<今後の対応>
今後は、開発に協力いただいている大学/企業様と連携し、車載装置の小型化や安全機能の追加等、更なる利便性向上に向けて実証実験を継続してまいります。
今回実験中のワイヤレス給電搭載EV車や給電インバータについては、2024年5月22日~24日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA」に出展いたします。
<協力大学/企業(敬称略・順不同)>
国立大学法人埼玉大学
大日本印刷株式会社、株式会社ピューズ、岡谷鋼機株式会社、株式会社セルコ、
株式会社ビー・アンド・プラス、株式会社日南、株式会社日南クリエイティブベース、
株式会社フォルム、タツタ電線株式会社、他
<お問い合わせ先>
〒182-8602 東京都調布市柴崎2丁目1番地3
島田理化工業株式会社 新事業推進プロジェクトグループ
TEL:042-481-8573
<装置・技術の詳細>
(1)車載装置
・ 市販EV車の給電プラグ規格(CHAdeMO規格等)に対応した、高速無線通信による給電制御方式を開発しました。
・これにより、EV車のプラグイン給電機能をそのままに車載装置(通信装置、整流器、受電コイル等)の後付けを可能とし、車両の部分改修のみでワイヤレス給電機能の搭載を実現しました。改造自動車としての届出は不要です。
【受電コイル(車両底面)】
【通信装置・整流器(車両背面)】
(2)給電制御技術
【位置ずれによる出力特性】
・創業以来培ってきた誘導加熱制御技術の応用により、給電開始時にインバータの負荷力率を測定し、最も給電電力の大きい周波数(SAE規格:79~90kHz)に自動調整する機能を開発しました。
・送電と受電のコイル間で水平/垂直の位置ずれが発生した場合でも給電損失を最小化し、最大電力での給電が可能です。
(3)最大出力45kWの給電
・SAE規格WPT3(出力11.1kW)に準拠したインバータを1台の装置に4台内蔵しており、複数車両へ個別または同時の給電が行えます。
・また、複数コイルの出力合成により最大出力45kWの大電力給電も可能です。
<実験の様子>
【ワイヤレス給電の実験エリアとEV車両】
【送電コイルと受電コイル】
【ワイヤレス給電インバータ】