自然派化粧品の先駆け「ロクシタン」が上場廃止へ
日本でも人気の「ロクシタン」(撮影:セブツー)(画像=『SEVENTIE TWO』より 引用)

 自然派化粧品「ロクシタン(Loccitane)」を運営するフランスのロクシタン・インターナショナルは4月29日、ライノルド・ガイガー(Reinold Geiger)会長が持株会社を通じて株式を買い取り、香港証券取引所での上場を廃止すると発表した。事業を現状のまま維持し、株式の非公開化で長期的な成長に向けた投資を今後行う。従業員の雇用は非公開後も維持するとしている。

 ライノルド・ガイガー会長の持株会社は、ロクシタン・インターナショナルの発行済み株式の72.64%を保有しており、今回の買取価格は1株あたり34香港ドル(約680円)で、総額140億香港ドル(約2800億円)を見込む。

 「ロクシタン」は南仏プロヴァンス発の自然派化粧品で、1976年に創業された。日本には1996年に1号店を出店し、現在は約90カ国で展開している。自然派化粧品の先駆けとして人気のブランドだが、競争は激化している。

 今年2月には同じく自然派化粧品の「ザ・ボディショップ(THE BODY SHOP)」の英国事業が経営破綻し、日本でも「スリー(THREE)」を展開するACROが立ち上げた「イトリン(ITRIM)」が2023年いっぱいで事業を終了している。競合ブランドとの競争が激化する中、ロクシタン・インターナショナルは長期にわたる基盤を構築するために今回の判断に至った。

 ライノルド・ガイガー会長は、「化粧品業界は大きな変化を迎えており、当社も大きく変わりました。本日開始する取引により、長期的で持続可能な成長のための基盤の再構築に集中できるようになります」との談話を発表している。

*1香港ドル=20円換算(5月1日時点)

文・高村 学/提供元・SEVENTIE TWO

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