こんにちは!モスクワ在住のチェブラーシカです。モスクワは冬が長いので、ひきこもり生活が多くなりますが、この冬はかなり出かけています。
それは、モスクワのВДНХ(ヴェー・デー・エヌ・ハー)で、「展覧会 ロシア」が行われているからです。もともと1939年に造られ、7ヘクタールもある展覧会場だったので、既存の建物と新たに建てた建物を使い、ロシアの産業と技術を紹介する展覧会が無料で行われています。これは、ロシアだけで万博をやってしまったくらいの規模の展覧会です。
今回は、その展覧会で紹介されていた寝台列車の最新車両の内部を紹介します。
寝台列車の進化
ロシアと言えば、シベリア鉄道で旅をしてみたい方もいると思います。私は、まだシベリア鉄道に乗ったことはありませんが、ヨーロッパロシアを走る寝台列車には、2011年と2016年に4回ほど乗る機会がありました。
2011年当時
2011年に初めてのロシア旅行で寝台列車に乗ることになり、出発前にガイドブックを読み漁りました。そこには、「トイレットペーパーを持って行った方がいい」とか、「就寝中にトイレに行くときは貴重品に注意した方がいい。なぜなら、鍵は内側からしかかけられず、外からかけられないから、トイレに行っている間に貴重品をとられるかもしれない」などと、恐ろしいことがたくさん書かれていました。大好きなロシアなのに、旅行に行くのをどうしようかなと思ったほどでした。
それで、トイレに行くときは、内側から鍵をかけておいて、合言葉を「山」「川」と決めたりもしました。
<2011年当時の古い寝台車両>
布団を敷いてから写真を撮ったので、見苦しいのですが、2011年当時の古い車両です。シーツや枕カバーは洗濯されたきれいなものを渡されます。
アニメ『チェブラーシカ』に出てくるような内装で、一晩くらいなら私は嫌いではなかったけれども、シベリア鉄道のように1週間となるとちょっと考えてしまいます。
2016年当時
それから5年後の2016年。また、寝台列車に乗る機会がありました。この時は、5年前のような古いタイプの車両に乗ることはなく、その当時の最新車両に乗ることができました。
<2016年当時の食堂車>
室内の写真は撮っていないので、ありませんが、食堂車はこんな感じでした。
<車窓からの眺め>
ピロシキを頼み、車窓から青空と湖と森を眺めながら食べることができました。
寝台列車といっても、数日かかるところの場合は、昼間の時間に乗ることもあります。
客室のトイレは、このようになっていました。5年前のガイドブックに書かれていたトイレットペーパーを持っていく必要もなくなり、しっかりありました。
合わせて3日間乗りましたが、客室も新しく、きれいで、とても快適でした。また、寝るときに鍵を閉めたつもりでしたが、朝起きたら開いていたというアクシデントもあり、慌てて貴重品を確認しましたが、何も盗られていませんでした。
2018年頃
<2階建ての新型車両>
そして、ロシアの寝台列車が目まぐるしく進化したのは、2018年のサッカーのワールドカップが行われる前からです。開催スタジアムが1,000km以上離れているところもあり、寝台列車で移動して時間とお金を節約して効率よく観戦する人が増えました。そのときに、2階建ての新型車両が走る路線が徐々に増えてきました。
最新の寝台列車の中
2018年ワールドカップからさらに5年。ロシアの寝台列車は進化を続けます。
各車両に車掌さんがいるのは、今も昔も変わりませんが、最新車両では、コンピュータで客室の安全を管理しています。
客室もこのようになりました。
私が真っ先に感動したのが、金庫があることです。
2011年の時に合言葉を決めて、貴重品管理をしたのに、今はそれも必要ないようです。金庫があると、安心して寝られます。さらに、カードキーを使って、外からも中からも客室に鍵がかかるようになりました。
また、私が乗った時は、客室内にはコンセントがなく、車両の廊下に1つしかありませんでしたが、今では一人1つのコンセントが客室内にあります。
また、窓は明るさによって、薄いブラインド、分厚いブラインドを選べるようになりました。
トイレは、1つの個室が狭くなったかなあと感じますが、おむつ交換台もついています。
さらに、シャワーつきのトイレも登場しました。
ゴミ箱もあるので、個室内も清潔に保てます。
各車両には、24時間自由に使える飲料水とお湯があります。ティーパックやカップ麺、即席みそ汁などを持ち込んで飲んだり食べたりもできます。
さらに、食堂車も進化しました。車両の1階部分は調理場と、バーになっています。1階で調理をして、その後、2階へ運ばれます。
食堂は、2階の席なので、窓からの眺めもよく、また、外向きに設置された椅子もあります。
この外向きの椅子は、好みに合わせて、右と左にも回転するようになっています。
食堂車のそれぞれのテーブルにもコンセントが付きました。スマートフォンの機種にも寄りますが、テーブルの上にスマートフォンを置くだけで、自動的に充電できるものもあります。