時計界の巨匠、ジェラルド・チャールズ・ジェンタさんが遺した最後にして最高傑作「GERALD CHARLES(ジェラルド・チャールズ)」。その最新作「Masterlink(マスターリンク)」が「Watches & Wonders 2024」で発表された。
ジェンタさん自身がデザインしたマエストロ・ケースの最新作で、メゾン初のアシンメトリーな一体型ブレスレットが特徴だ。
デザインの精巧さが際立つ「Masterlink」
「Masterlink」は、7.9mmという薄さでありながら、スリムで洗練されたエレガンスとスポーティな魅力を見事に融合させたモデルである。その素材にはスティールが使用されており、これはスティールを非常に貴重な素材として捉えていたジェンタさんの功績を称えるものだ。
この優れた時計の外装と仕上げは、イタリアン・ハイファッションの時代を彷彿とさせるエレガントなストライプ・スーツからインスピレーションを受けており、ジェンタさんとイタリアの伝統との明らかなつながりが見受けられる。
文字盤は「Masterlink」独自のデザインであり、新しいインデックス、針、ミニッツマーカーを採用。見やすさと薄さの両立を実現するための工夫が凝らされており、特に分針の精巧さは驚くべきものである。
細部へのこだわりが光る「Masterlink」
さらに、ブレスレットを開くためのプッシュボタンや目に見えないクラスプなど、ディテールにまでこだわった設計がお見事。
そのケースの薄さにもかかわらず、リューズはねじ込み式であり、水深100メートルに対応する防水性を備えている。ムーブメントを見ると、マイクロローター構造はわずか2.7mmという驚異的な薄さだ。
また、ネジはすべて、スケルトナイズド・キャリバーに初めて採用された「ジェラルド・チャールズ」独自の星型ネジになっている。「ジェラルド・チャールズ」のデザインチームが、小さなネジ一つ一つに至るまで、注意深い仕事をしている点も見逃してはならないだろう。
ジェラルド・チャールズ・ジェンタさんの名声と伝統を継承しつつ、時代の最先端を行く「Masterlink」が、時計愛好家の心を魅了し続ける。
(akihiro takeji)