大岩剛監督率いるU23日本代表がAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選で優勝した一方、U23韓国代表はベスト8で敗退。40年ぶりに五輪出場を逃して代表チームへの批判が相次ぐ中、かつてサガン鳥栖、セレッソ大阪、ジェフユナイテッド千葉を指揮していた尹晶煥氏(現韓国1部・江原FC監督)が、「日本より遅れている」などと韓国サッカー界に警鐘を鳴らした。韓国メディア『SPO TV』が今月5日、同氏のコメントを伝えている。
韓国はグループステージでUAEと中国を下し、決勝トーナメント進出(ベスト8入り)を決めていた中で日本と激突。両国ともに開催国カタールとの対戦を避けたいという思惑がある中、1-0で日本を下してグループ首位通過を決めていたが、準々決勝ではPK戦の末にインドネシアに敗れた。
五輪予選敗退という結果に、韓国メディアは一斉に代表チームを非難。ファン・ソンホン監督が国民にむけて謝罪する事態に発展し、一部の韓国メディアが執拗に“日韓比較論”を展開する中、日本のサッカーも熟知する尹晶煥氏は韓国サッカー界の現状を危機感を募らせているという。
同氏は5日開催の韓国1部リーグ第11節・水原FC戦後のインタビューで、U23韓国代表のパリ五輪予選敗退について感想を問われると、以下のように語っている。
「(22歳以下の選手で)昨シーズンのリーグ戦で10,20分くらいしかプレーしていない選手もいるが、そういう選手が国際大会でプレーできるのかと。監督にとっては非常に難しい部分だ。もっと選手育成の制度面を変える必要があると思う。若い選手が台頭してくる時期が、日本より少し遅れているかもしれない。だからこそ、選手育成にもう少し時間をかける必要がある」
元韓国代表選手の尹晶煥氏は、かつてC大阪と鳥栖でプレー。引退後は鳥栖、韓国1部・蔚山現代、C大阪、タイ1部ムアントン・ユナイテッド、千葉で指揮しており、C大阪時代には天皇杯とYBCルヴァンカップの2冠を達成している。また今年2月には、大韓サッカー協会(KFA)戦力強化委員会の委員長に就任。ユルゲン・クリンスマンにかわるA代表監督の後任候補選定に携わっていた。