写真家Midori S. Inoue氏が、フォト絵本『記憶と空想』を出版。同書は、詩人谷川俊太郎氏の詩とコラボした写真や読者が広げる空想の世界など、自分を拓く扉に気付かせてくれる本だ。

5月1日(水)〜5月14日(火)の期間、東京神田神保町のブックハウスカフェにて、出版記念個展Midori in the Wonderlandを開催する。

空想することの扉に気付かせてくれるフォト絵本

『記憶と空想』は、写真家Midori S. Inoue氏の心を動かした、1990年代New Yorkerの光り輝く瞬間の集大成だ。

第一章は、詩人谷川俊太郎氏による書き下ろし20篇の言葉とのコラボレーション。谷川氏の言葉は読む人を空想の世界に誘い、空想することに正解はなく、好きなように楽しめばいいことに気づかせてくれる。

第二章は、Midori S. Inoue氏からのメッセージ。「あなたはあなたのままでいい」「みんながみんなちがっていい」「今を楽しんでいい」「夢を描いていい」「ダメならやめてもいい」など、日本で生きづらさを感じた同氏が アメリカで変わるきっかけとなった言葉たち。

どの言葉も、読者の心に届いて欲しいという気持ちで、本人が書き下ろした。

同書は、第一章・第二章ともに「使い方は自由」。一枚一枚が見る人それぞれの物語を奏でて、空想の世界を楽しめるような構成に仕上がった。同書は、amazonなどで発売中だ。

ブックデザインや想定も五感を刺激する創り

『記憶と空想』は、日本の出版界の匠たちにより、最高の一冊に仕上げられ、五感を刺激する作りになっている。

ブックデザインは、H2O清水こうじ氏と九谷透氏。フォントは、書体設計士 鳥海修氏による谷川俊太郎氏のために作られた「朝靄かなフォント」。

また製本は、美篶堂の手仕上げにより、表紙は、和紙の風合いの新だん紙に箔押ししたフランス装。本編は、糸かがりによってページが180度開く装丁を採用する。

そして印刷は、山田写真製版所プリンティングディレクター高智之氏による究極の3色モノクロスミ印刷。

翻訳は、1967年以来谷川氏の詩を翻訳しているWilliam I. Elliott氏、西原克政氏らによる日英同時表記となる。

「写真や詩を楽しむのもいい」「空想してもいい」「書き込んでもいい」「対話に使ってもいい」など同書の楽しみ方は100万通り。

同書を通じて、Midori S. Inoue氏や、制作に関わった匠たち。そして、そこに心を寄せるたくさんの人々の想いを感じたい。

『記憶と空想』フォト絵本
著者:Midori S. Inoue、谷川俊太郎
サイズ:222mm×248mm
定価:6,000円(税別)

(高野晃彰)