キャッシュレス決済の巨人へ

VNPAYの親会社であるVNLIFE Corporationは2021年7月末にシリーズB投資ラウンドで2億5,000万ドルに及ぶ資金を得てから、さらに成長の勢いを増したようだ。

Tech in Asiaによると、この資金調達時点でのVNPAY-QR導入店舗はベトナム全土で15万以上、利用者は2,200万人以上だという。

しかし今では35万以上の導入店舗、4,000万人以上の利用者を抱える「キャッシュレス決済の巨人」へと成長した。日本の外務省のデータによると、2022年のベトナムの人口は約9,946万人。単純計算すれば人口の4割ほどの人がVNPAYを利用していることになる。

「個人商店のDX化」を促す

東南アジア諸国の決済アプリの特徴として、「事業者にとっての使い勝手を想定している」ということが挙げられる。

町の雑貨店には大きなレジを置けるスペースはなく、会計は専ら紙とペンと電卓で行われることが多かった。決済はもちろん現金のみ。これでは経営の効率化どころではない。また、確定申告の際も煩雑な準備が待っている。それらを効率化するには、「店舗のDX化」以外の手段は限られるのではないか。

ベトナムの今後の経済成長は、VNPAYに牽引される形で達成されるという見方もできそうだ。

参考・引用元:
VNPAY
外務省

(文・澤田 真一)