内田篤人 写真:Getty Images

 鹿島アントラーズ、日本代表OBの内田篤人氏が、Jリーグ秋春制移行に関連して、酷暑下でプレーすることの厳しさに言及。日本代表でチームメイトだったDF吉田麻也(ロサンゼルス・ギャラクシー)や遠藤保仁氏(現ガンバ大阪コーチ)も、気温上昇がパフォーマンスに与える影響について語っている。

 内田氏は今月2日にインターネット動画配信サービス『DAZN』で配信開始の「内田篤人のフットボール・タイム」で、Jリーグの野々村芳和チェアマンと対談。秋春制移行に話題が及ぶと、野々村チェアマンは「シーズン移行とは全く別の問題として、夏のパフォーマンスは絶対に変えないとダメだと思っていた」と、以前から酷暑下の試合開催を問題視していたことを明かす。

 これに内田氏は、鹿島でプレーしていた時の経験を振り返りながら「(夏場は)どうサボりながら勝つかを考えてしまう。でもそれは、全部出し切るというドイツ、ヨーロッパ(のプレースタイル)とやっていることが真逆」とJリーガーの抱えている問題を斬ると、野々村チェアマンも「そうなるよね」と同意。

 酷暑という同じ条件下での戦略に「絶対に真剣さがある」と認めつつも、「Jリーグの20歳の選手が(夏場に)底のパフォーマンスを見せている時に、ヨーロッパの20歳のライバルは最も高いパフォーマンスレベルでプレーしているということを2,3年繰り返すと、差は広がると思う」と危機感を募らせている。

 春秋制のもと、7,8月にJリーグ公式戦が開催されていることについては、吉田が昨年に内田氏と秋春制移行に関して意見を交わす際に「この暑さで試合をするのは、もはや生命の危機を感じる。無理。サッカー面で言うと、パフォーマンスがとか強度がとか言うけど、シンプルに危ない。これは雪とか以前の問題」と主張していた。

 また、2023シーズン限りで現役を退いた遠藤氏は、『DAZN』で今年3月25日に配信開始の「遠藤保仁 特別番組 ~走り続けた26年の記憶~」で松井大輔氏と対談した際、松井氏から「何歳くらいが身体の限界だったか?」と訊かれると、「正直言うと、40代から。30代までは全然大丈夫だった。夏場がもう無理だなと思いながら、2年くらい粘った」と酷暑による自身のプロキャリアへの影響を明かしていた。