Jリーグの野々村芳和チェアマンが、今月2日にインターネット動画配信サービス『DAZN』で配信開始の「内田篤人のフットボール・タイム」にゲスト出演。秋春制移行に至るまでの過程を振り返っている。
Jリーグは昨年12月19日、2025シーズン終了後に0.5シーズンの特別大会を設けた上で、2026/27シーズンから秋春制に移行すると発表。シーズン移行に関しては以前、アルビレックス新潟をはじめ降雪地域のクラブから冬場の試合開催や練習環境を巡り反対意見が挙がっていたが、Jリーグは施設整備の支援などを目的に100億円規模の財源を用意する方針を打ち出している。
野々村氏は内田氏からの「今までも(秋春制に)変えようという声はありましたよね」という問いかけに対して、「あった。多分20年以上ずっとやっている話だと思う」と長期間にわたり議論を重ねてきたことを強調。
秋春制移行に時間を要した背景として「できない理由がたくさん並べられてきたのは事実。そのできない理由の一番は、『冬場、1月にサッカーをしないとダメ』みたいな声があった」と、降雪地域での反対意見があったことに言及。
「僕、札幌(北海道コンサドーレ札幌)にいたから『1月やるのは全然無理』というので終わったけど。『12月中旬から2月中旬は休むとなってもできるよね』というのは一歩前進かなと思う。一番は『変えないとまずい』という声の方が強かったかな」と語るなど、内田氏とともに元Jリーガーの目線から酷暑下のプレーにおけるパフォーマンスの低下が深刻な問題であることを訴えた。
一方、新潟OBの鄭大世氏は昨年12月、DAZN制作番組『J ZONE2023』出演時に秋春制移行の厳しさを主張。「秋春制にした方が良いとは思っているけど、条件を見たら無理だなと。降雪地の条件が悪すぎるし、打つすべがない。もし(降雪地域にホームスタジアムを構えるクラブが)冬に試合をやらないようにしたり、時期をずれせば、今度はそのクラブに誰も行きたがらないという現象が起こる。(降雪地域の)クラブにとってはかなり不利で、ちょっと無理かなと。賛成派だけど、メリット、デメリット以前に無理」と、条件面の格差是正が必要との見解を示していた。