DIABLOMAN ワンポイントレッスン vol.1 「サーキット走行の空気圧」
まだ記憶に新しい、2023年3月25日〜27日に東京ビッグサイトで開催された第50回東京モーターサイクルショーのピレリブースのステージに現れた、レーシングスーツの上にマントを纏ったキャラクターがいた。それが、新キャラクター「DIABLOMAN」だ!
今回はサーキット走行の空気圧について、DIABLOMANから届いたワンポイントレッスンを紹介しよう。
さぁここでDIABLOMAN からのワンポイントレッスンだ。
サーキット走行ではなぜ内圧を下げるんだ?
サーキット走行会等に参加するライダー達は、よく走行前は空気圧を下げてくださいね。
帰宅時には規定圧に戻すように入れてくださいね。
そんなアナウンスを耳にしていると思う、でもなんとなくそうしているだけで、自分はどの程度下げればいいんだろう? や、なぜ? を正確に把握していたり、状況による判断を正確に説明出来るライダーは少ないんじゃないかな?
DIABLOMAN が教えてあげよう! 一言でいえば内圧が上がり過ぎないようにするためだ。
そ、そりゃそうなんだけど……。では、なぜ最初に内圧を下げておかないとサーキットでは内圧が上がり過ぎてしまうのか?
理由は通常の一般道より速いスピードでの走行や、高負荷なブレーキング/コーナリング/立ち上がり加速でタイヤに負荷がかることでタイヤが発熱するので、内部の空気が熱膨張するからだ。
分かるかな? タイヤに負荷をかけられるライダーが乗る前提で、そのレベルにより調整して冷間時の内圧を下げておくんだ。発熱して温間時に適正な内圧になる前提で下げる量を調整しているということなんだ。ということは、きちんと荷重/加重出来て発熱させられないうちは下げ過ぎは要注意なんだ!
速いライダーと同じにしたから大丈夫……ではないんだな。
ここで、冷間/温間という言葉が出てきたが、これはそのままの意味でタイヤが走行前の冷えた状態と走行して熱が入り温まった状態を示している。そして本当に大事なのは走行中の温間時にどんな数値になっているかだ。
また、サーキットでタイヤウォーマーで温めているときの値も、例えば冬場であれば走行中のペースが遅ければ冷えて下がってしまったり、夏場であれば路面温度が高いのでさらに上昇してしまったりするし、その変化量は走行ペースやライダーのスキルによって変わってくる。だからトップレベルのカテゴリーでは事前テストで2〜3 周して戻ってきた時の内圧をチェックして、走行時の内圧が適正値で安定するように調整している。
また、連続周回が15 分なのか30 分なのかや、走行本数によっても変わってくる。内圧は常に上がり続ける訳ではなく、一定の数値まで上がると落ちつくものだが、高負荷で⻑時間走行を連続すればそれだけ上がりやすくなる。状況により、冷間時プラス0.3〜0.5bar 以上簡単に上がる可能性があるんだ。
ほかにも、ストリートでの指定圧は路面のギャップや縁石を越える際の衝撃に耐えられるように、また2人乗りした際の体重に耐えられるようにといったさまざまな理由によりマージンを取って高めに設定されているので、基本的に1人乗りで路面のギャップの少ないサーキットでは必要な内圧がストリートよりも低いという理由もある。