弘法大師・空海誕生から1250年。悠久の時を超えて「宇宙といのちのつながり」を体感できる機会が訪れた。
5月14日(日)~7月9日(日)の毎週末、通常非公開の世界遺産・高野山金剛峯寺「奥殿」を特別公開し、アート映像作品「LIFEいのち」の上映を行う。また、6月14日(水)には前夜祭として特別に野外上映を行う。
レナート・ニルソン氏の写真に驚かされる「LIFEいのち」
上映される「LIFEいのち」は、アーティスト・橋本昌彦氏が監督を務めたアート映像作品だ。
作品の中核をなす写真は、世界的科学写真家レナート・ニルソン氏が1970年代に撮影した胎内の実写。CGや合成ではなく、本物の母胎が星で満たされた宇宙のように写る写真は、いま見ても驚きを禁じ得ない。
本作はその実写を使い、プラネタリウムのドーム空間を母胎に見立て、25分間で「宇宙誕生といのちの神秘」を表現した全天周映像作品だ。
大阪・関西万博 TEAM EXPO 2025 共創チャレンジプログラムに「100年後も続く愛といのちのアートプロジェクト」として登録され、「アートを通じたAWE体験」を創出している。
「AWE体験」とは、壮大なスケールでいのちを感じることで、自分の存在や小ささを感じる体験のこと。体験者の内面に「感謝の意」が湧き上がることが近年の脳科学でわかり、仏教の「悟り」との共通点も指摘されるようになっている。
上映と合わせて、生命と宇宙のつながりをアートで体感する写真展「いのち展 -Warmth I Remember-」を初公開する。
前述のレナート・ニルソン氏の実写に、アーティスト・橋本昌彦氏とクリエイティブディレクター・橋本さやか氏がメッセージを添えた写真展で、自分のいのちとつながるようなマインドフルネスを実感できる。
通常は非公開の特別室「奥殿」にて上映
会場となるのは世界遺産、高野山金剛峯寺にある奥殿だ。通常は非公開の特別室で、日本最大級の石庭「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」の中央に位置する。
本作品が描く「いのち」の世界観が、大きな慈悲で子どもを育てる母胎のように表現された仏教の「胎蔵界」の世界観に通じるものがあり、「蟠龍庭」はまさに胎蔵界と金剛界の両者が表現された庭。その「蟠龍庭」を一望できる奥殿は、これ以上ない舞台だ。
前夜祭として根本大塔前で特別野外上映を実施
さらに空海の誕生前日と伝わる6月14日(水)にも、前夜祭として特別野外上映を行う。壇上伽藍の根本大塔前に約8メートルの大型スクリーンを設置し、「LIFEいのち」の上映と橋本昌彦氏の歌唱が行われる。
空海が表現した“宇宙そのもの”である大日如来と頭上に広がる星空。そのなかで「宇宙といのち」のつながりを描いた映像作品に触れる、またとない機会となるという。
特別な場で、特別な作品を鑑賞するひととき。どんな体験が待っているか、想像もつかない。
弘法大師<空海>御誕生1250年記念大法会 「LIFEいのち」特別上映会&「いのち展 -Warmth I Remember-」
会期:5月14日(日)~7月9日(日)の毎週土・日曜日
会場:高野山 金剛峯寺 奥殿
所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山132
時間:10:00-10:45、11:00-11:45、14:00-14:45、15:00-15:45
定員:各30名
参加方法:公式ホームページにて事前申込、入場無料(金剛峯寺拝観料が別途必要)
弘法大師<空海>御誕生日前夜祭 特別イベント「LIFEいのち」特別星空上映会
日時:6月14日(水)19:30-20:30
会場:高野山 金剛峯寺 壇上伽藍 根本大塔前(雨天時は高野山大学黎明館)
参加方法:申込不要、入場無料
(SAYA)