近年、自動車を取り巻く環境の変化や様々な事故事例にあわせて、道路交通法施行規則の改正が進んでいますが、白ナンバーの事業者にもアルコール検知器を使用したアルコールチェックが義務化される見込みです。今回は、株式会社JVCケンウッドに伺い、ケンウッドブランドが展開する2種類のアルコール検知器について取材しました。文・伊藤 梓 / 写真・土屋 勇人
酒酔い・酒気帯び運転の厳罰化などにより、飲酒運転による交通事故件数が一時減少したものの、ここ数年は下げ止まりの傾向にあります。いまだに飲酒運転をするドライバーが後を絶たず、依然として飲酒運転による悲惨な交通事故が発生しているのが現状です。
誰もが気をつけていることではあっても、ハンドルを握る前にアルコール検知器を使って検査している人が少ないのかもしれません。実は、私自身もそのひとり。
ということで、今回はアルコール検知器を販売しているJVCケンウッドへ直接伺い、実際にアルコール検知器を試させていただくことにしました!
飲酒運転について、厳罰が設けられていることはみなさんご存知だと思いますが、改めて「酒気帯び / 酒酔い運転行政処分・罰則」を確認しましょう。
酒酔い運転は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金、酒気帯び運転は3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
酒酔い運転は、呼気中のアルコール濃度に関わらず、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態で運転することを指し、酒気帯び運転は、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15以上0.25mg未満の場合と、0.25mg以上の場合で違反点数が変わります。
ここまでは知っている人が多いと思いますが、実は、事業者に対しては違反だけではなく「アルコール検査」が義務化されてきているのです。
2010年に道路交通法が改定され、2011年には運送事業者に対して、アルコール検知器の保持と使用が義務づけられました。
さらに、白ナンバー車を使用する、安全運転管理者選任事業所として規定される企業・団体、乗用車を5台以上もしくは定員11人以上の車を1台以上を使用する事業者も、今後アルコール検知器の保持と使用が義務化される予定です。
なんと、その対象となる事業者は約34万、管理ドライバーは約782万人という膨大な数になるとのこと!実際に施行された時のために、正確に検査できる便利なアルコール検知器を知っておきたいですよね。
ケンウッドのアルコール検知器は、2020年の発売以降、高精度で高品質、さらに長寿命の日本製ということで人気があります。
今回は、ケンウッドが扱う2種類のアルコール検知器を実際に試してみました!
まずは、スマホ連携&PC管理対応のアルコール検知器「CAX-AD300」。CAX-AD300に搭載されている電気化学式ガスセンサーは、検知性能と耐久性に優れているので、企業や事業所で使う時などに重宝しそうです。
さらに、CAX-AD300は単にアルコールを検知するだけではなく、検査のデータ管理がとても便利なところがポイント!
今後、前述した制度が正式に施行されると、該当する事業所の安全運転管理者は、酒気帯びの有無を目視で確認したり、確認した内容を帳簿やデジタルデータで記録し、1年間保存しなければいけなくなります。
これを従業員の運転前後に毎日やらなければいけないと考えると、相当な労力が割かれるのは容易に想像できますよね…。
CAX-AD300は、専用のアプリを使えばスマホとPCが連携してデータを管理することができます。
まずは、本体とスマホアプリをBluetoothで接続し、スマホを自分に向けて息を吹きかけると、計測と同時に計測中の自分の写真がスマホのカメラで撮影されます。
この時に、CAX-AD300に表示された測定結果も同時に撮影され、その写真と測定結果がスマホから自動で管理者へメール送信されます。
たとえば、測定者が「アルコールが検知されたから送信を取り消さなきゃ!」と思ったとしても、取り消す間もなくしっかりデータは送られます。
「半導体式より電気化学式は測定時間が長い」と聞いていましたが、それもほんの数秒差。本体も大きく感じますが、持ってみると思ったより軽いので、操作も簡単でした。
管理者は、PC用管理ソフトウエア(無料)をインストールすることで、受信した測定結果を測定者ごとにIDで管理し、測定履歴として保存することができます。
測定結果と写真のほか、GPSデータやセンサー寿命まで自動で記録されるようになっているので、なりすましやデータ改ざんができないところも安心ですね。
続いては、コンパクト&スピーディー測定のアルコール検知器「CAX-AD100」。CAX-AD100に搭載されている半導体式ガスセンサーは、測定までの時間が短く、低価格なので導入しやすいというメリットがあります。
ただ、電気化学式に比べると、環境の影響を受けやすくアルコールに近い成分に反応することが稀にあったり、センサー寿命が短いというデメリットも。
実際にCAX-AD100に息を吹きかけてみると、すぐ測定値が表示されました。当たり前ですが、結果は0.00mg/L。その素早い計測に「早い!」と驚いてしまいました。
計測は2ウェイ方式で、このように息を吹きかける方法とストローを刺す方法があり、用途によって使い分けることができます。計測時間も短く、とてもコンパクトで持ち運びしやすいため、簡単に測定することが可能です。
実際に自分でアルコール検知器を試してみると、機器の品質や使い勝手は非常に大切だなと実感しました。
これからより多くの事業者がアルコール検知器によるアルコールチェックの義務化が見込まれていますが、検査や記録をひとつひとつ行うと、どこかに抜けや漏れがあったり、検査そのものを怠ってしまうことも考えられます。
そこにケンウッドのCAX-AD300のように簡単に測定しやすく、かつデータ管理も一括でできるアルコール検知器があれば、普段の業務を逼迫することなく確実に検査して記録できるので、今後飲酒運転を抑止・管理するための必需品になるでしょう。
「CAX-AD300」は、スマートフォンと連携※してアルコール濃度の測定結果などを管理者のPCにメールで自動送信し、測定結果の記録・管理を容易にする、記録・通信型アルコール検知器です。
運転者のアルコール濃度を検査後、その測定結果と測定者情報(写真データなど)をスマートフォンのメール機能を使用して管理者のPCに自動送信します。
検査と同時に測定者の顔が自動撮影・記録されるため、なりすましを防止し、また測定後に測定結果が自動送信されるため、測定データの改ざんも防止し、信頼性・確実性の高い運行管理を実現します。
※ スマートフォンとの連携には専用のスマートフォンアプリ(無料)が必要です。(対応OS:iOS12以降/Android9.0以降)
商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。
「CAX-AD100」は、日本製の高感度・高精度なアルコール検知センサーを採用。息を吹きかけるだけで、いつでも簡単に呼気中アルコール濃度をチェックできる「アルコール検知器協議会」の認定を取得した携帯式アルコール検知器です。
高精度な測定が可能なストロー方式と、計測がより簡単なオープンブロー方式の2通りの測定に対応しています。
またセンサーには加熱することで反応を促進させるとともに、付着した汚れや不純物も除去しつつ測定できる半導体式センサーを採用。
5000回の測定に対応し、長期間にわたり日々のチェックに使用できます。
商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。