風を切り裂き、意のままに走る喜び
1959年式ポルシェ356Aカブリオレ1600S。取材車は希少なオリジナルエンジンを搭載したナンバーマッチングのフルレストアモデル。パワーユニットは高性能75ps仕様でオーバーホール済み。1955年から59年まで生産された356Aは足回りをはじめ各部を完全にリファイン。完成度が高い人気モデル、特徴は356B/Cよりも低いヘッドランプ高と一段と丸いフェンダーライン。1959年モデルではクーペとコンバーチブル(2シーター)、そして写真のカブリオレ(4シーター)が選べた。生産台数はクーオペが大半を占め、カブリオレは少ない、トランスミッションはポルシェシンクロ仕様。
☆空力性能面でも優れた356のスタイリングは、エルビン・コメンダの作品。コメンダはアウトウニオンGPカーや550スパイダーなどの4気筒レーシング具ポルシェなどもデザインしている。ブッツィ・ポルシェがデザインした911においてコメンダは、おもにボディの構造設計を担当。
☆1600S用の616/2型エンジンは圧縮比8.5から75ps/5000rpmを発生した。
☆トランクには燃料タンク/スペアタイヤ/バッテリーを収納。給油はトランクリッドを開けて行う。
☆おしゃれなホワイト仕上げのステアリングとシフトノブ。オーディオは新車時からの貴重なアンティーク品。1957年から採用したZFウオーム式ステアリングギアの反応は正確。
☆大型サイズの本革張りシートは座り心地良好。左右はベンチシートのように接近していた。
☆メーターは3連デザイン。中央にタコメーターをレイアウトする。
☆室内の作りは上質。がっちりした作りのトップは厚手で内張り付き。フロントウィンドウ上部の固定ラッチは3カ所
☆マフラーエンドはリアバンパーのオーバーライダーと一体化。フルメッキホイールは当時のアメリカ仕様のディテールだった。
[新車時の車両データ]
サイズ:全長×全幅×全高3950×11670×1310mm、ホイールベース2100mm、車重850kg、エンジン:1582cc水平対向4気筒OHV、75ps/5000rpm 、11.9kgm/3750rpm、トランスミッション:4MT、駆動方式:RR、新車時価格:不明
提供元・CAR and DRIVER
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