浦和レッズのゴール裏 写真:Getty Images

 明治安田J1リーグ第10節の浦和レッズ対名古屋グランパスが、4月28日に埼玉スタジアムで開催。試合後、SNS上で両クラブのファン・サポーターによる批判や誹謗中傷が相次いでいるほか、浦和側の投稿主が謝罪する事態に発展している。

 両クラブの対戦と言えば、昨年8月3日にCSアセット港サッカー場で開催された天皇杯4回戦が記憶に新しい。この一戦では、試合後に名古屋サポーターの声に反応した浦和サポーターがピッチに乱入し、緩衝帯を突破。一部のサポーターが名古屋サポーターや警備員に暴行を加えるなど、複数の違反行為に及ぶと、日本サッカー協会(JFA)がサポーター17名に対して国内全試合への無期限入場禁止処分を科したほか、浦和から2024シーズンの天皇杯参加資格を剝奪している。

 日本サッカー界を震撼とさせる出来事があっただけに、今季初対戦でも両クラブのファン・サポーターによる批判の応酬が。「原爆」というワードが盛り込まれた誹謗中傷も確認されるなど、一線を超えた投稿内容が物議を醸していた。

 そんな中、浦和サポーターとみられるSNSユーザーが今月1日午前に謝罪。「『浦和に原爆を』との書き込みに逆上した」と投稿に至るまでの過程を説明した上で、「皆様にご不快な思いをさせてしまいとても反省してます」と綴っている。

 なお浦和は1日、「SNS上での誹謗中傷」と題して声明を発表。「大変残念なことに、SNS上で、多くの方が犠牲になられた史実を引用した極めて悪質な投稿が確認されました。当該投稿は既に削除されておりますが、今一度私ども浦和レッズの考えをお伝えさせていただきます」とした上で、以下のようにファン・サポーターへ呼びかけている。

 「スポーツが日常にある幸せが広がっていくことを願う浦和レッズは、仮に「勝利のため」という理由が伴っていたとしても、社会正義に反する行為を肯定することは絶対にありません。そして、「勝利のため」という理由で社会正義に反する行為を行う人を、サポーターとは認めません。浦和レッズがパートナー、ホームタウン、そしてファン・サポーターのみなさまと共に実現を目指すものは、「強くて魅力あるチーム」、「安全・快適で熱気ある満員のスタジアム」、「自立し責任あるクラブ」であり、これらの実現に、社会正義に反する行為は不要です」

 「当該投稿に対し、社会の一員であり浦和レッズの一員であるファン・サポーターのみなさまが疑問を呈し、そして否定的な態度を表明してくださっていることを大変心強く感じておりますが、引き続きそうした「当たり前」をファン・サポーターのみなさまと共に浦和レッズ全員で継続的に実行してまいりたく存じます」