営業は外見に気をくばれ
筆者がコンサルティング会社に勤務しているとき、ファッション系企業を担当することが多かった。アパレルメーカーや婦人靴まで数多くの企業を担当していた。
コンサルティング会社には高学歴な人が揃っている。しかし、彼らがファッション系企業に合っているかと聞かれると必ずしもそうではない。時代の最先端でオシャレを標榜する業種である以上、学歴以上に清潔感や印象が求められていた。
筆者は身長が185cmある、当時はいまよりもやせ型で細マッチョなイメージだったので、スーツがよく似合うと言われていた(お世辞かも知れないが)。既製品でもプレスをかけてクリーニングしたてのシャツを着れば清潔感は印象づけられる。
スーツ以上に気を使ったのはシャツだった。ターンブル&アッサーのシャツは高額だが仕立ての良さがすぐにわかる。ネクタイは無地のものを着用、エルドリッジノット、トリニティノットなど難易度の高い結び方をマスターしていた。
そして、外回りの営業活動で危険なのが真夏の直射日光である。炎天下のなか、汗をかき、シミになり、髪型は乱れて、額からも汗がしたたり落ちる。汗がしたたるくらいのほうが一生懸命な雰囲気があるという人もいるが、ファッション系にはそぐわない。
ここで秘密兵器が登場私には秘密兵器があった。コールドスプレーである。最近ではコンビニでも抑汗スプレーが売っているが、私が使用していたのはホンモノである。野球でデッドボールを当てられたときに吹き付けているアレだ。3秒もすればシャツの汗が凍り南極の世界で誘う。
汗は完全に収まり、髪も近くのホテルやトイレでセットをし直す。「尾藤さんは汗をかかないんですね?」とよく聞かれた。「汗をかいて不潔っぽくみえるのが嫌なので……」と答えた。逆に興味をもたれてそれがきっかけで発注されることもあった。
また移動時間が長ければ躊躇なくタクシーを利用した。自腹になるが仕事効率ははるかにアップしたと思う。人事部や経営企画部などコーポレイトスタッフはデスクワークが中心。そこに汗ひとつかかない営業が来訪するといい意味で目立ったわけだ。
これから暑い時期を迎える。見栄えも重要な要素だと考えている。このようなときに、本書があればとても便利ではないか。ファッションに興味のある方、スタイルを変更したい方に読んでもらいたい一冊である。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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