忘却の時代・平成
いま、私たちが取り戻すべき「歴史」

過去を振り返る営みを〝忘却した〟時代ともいえる平成。 失われた「憂う」「惜しむ」「悔やむ」感情を回復するためにも、歴史を取り戻す試みが必要だ。

昭和とは、過去を背負い込みすぎた時代だった。そして令和のいま、私たちは未来を過剰に背負わされている。

われこそは未来の使者だと自称する人が次々に現れては、「将来生まれる子どもたち」の名を語って(騙って)私たちを非難する。いわく、彼らが温暖化した地球で苦しまないように、火力発電所を止めるべきだ。一方でやはり彼らのために、原子力発電所もなくすべきだ。

はたまたAIとロボットが全てを担う、地球のどこでも実現を見ていない社会の基準で、他人の仕事を「消える」「要らない」と侮辱する。やはり現状では採用する国のない、ベーシックインカムが実施されると勝手に想定して、だから働く意欲も必要もないと居直る。

どうして、こんなことになったのか?

その鍵を握る時代が平成だ。それは日本人が歴史を見失い、過去を振り返る営みを忘れ、ありもしない未来に釣られて蠢く群れのようになる30年間だった。……(続きは同誌にて)

編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2024年4月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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