中古車の世界でいうと、日本は夢のような国

日本の中古車はコロナ禍以前から、もともと海外で人気が高かった。

「日本は中古車に対してシビアだから。例えば、走行距離が10万キロだったら過走行車という基準になるし、6~7万キロでも、やや過走行になる。ところが、日常的な走行距離が長い欧米では、10万キロでもローマイレージになる。日本の中古車は走行距離が少なくて、洗車ばかりしているから車体もきれいで、しかも値段は安い。そんな国はほかにない」(桑野氏)

日本国内で販売されている中古車の安さについて、桑野氏はさらにこう語る。

「日本の中古車相場は、欧米の先進国に比べるとかなり安かった。例えば、クラシックのポルシェやフェラーリも、今でこそ日本でもかなり高くなって1000万円を超えているが、10~15年ぐらい前は、世界的な相場で700~800万円していたポルシェが日本では100~200万円で買えた。そんな値段でポルシェとかフェラーリを買えるのは日本しかなかった」(桑野氏)

国内の中古車市場、これからどうなる?

神領氏は、国内における中古車価格の値上がりピークは打ったと話す。

「価格はまだそれほど落ちてはいないし、値落ちも緩やかだ。ただ、メーカーも去年より今年は生産できるだろうという見立てであり、一部人気車の中古車の価格高騰はもう少し続くだろうが、そういう車種もこれから減ってくるのではないか」

中国はゼロコロナ政策を転換し、経済の正常化に向けて動き始めた。

「コロナ禍というのは100年に1度ぐらいの話なので、なかなか予測できないところがある。新車を生産・販売すれば流通は増えるだろうと思われがちだが、それが以前のように潤沢にユーザーの手に渡っていくには、やはり少なくとも1年半ぐらいのタイムラグがあるはずだ。供給不足がすぐに解消されることはおそらくないだろう」(桑野氏)

車検が切れるタイミングで車の買い替えを考える人は多い。

「新車の場合、今はだいたい、車検の1年前に買い替え話を始めないと、うまく車検に間に合わないといわれている。ただ、車検が切れて納車されない空白期間があっても、ディーラー側は代車を用意している」(神領氏)

現在の新車・中古車不足のなかで、ユーザー側の自衛手段は、早めに買い換えを検討するということくらいかもしれない。

(文=横山渉/ジャーナリスト)

提供元・Business Journal

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