大岩剛監督率いるU23日本代表は、現地時間今月29日に行われるAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選の準決勝でイラク代表と対戦。パリ五輪出場をかけた一戦を前に、対戦相手国のメディアが日本の弱点を指摘したほか、日本代表OBの遠藤保仁氏(現ガンバ大阪トップチームのコーチ)は中東勢との対戦における難しさを説明している。
イラクメディア『buratha news』は28日に「イラクはパリ五輪出場へ、日本が障害になることはない」とリポート。同国代表は準々決勝でベトナムを1-0で下したが、「ベトナム戦では周囲から期待されていたパフォーマンスから程遠かった。特にディフェンスと中盤の選手が良くなかった」と、日本戦を前に伸びしろがあることを強調したほか、「日本よりもイラクの選手の方が、フィジカル面で優れており、コンディションも整っているはずだ」と主張。空中戦などフィジカル勝負に勝機を見出している。
イラク戦と言えば、カテゴリーこそ異なるものの、森保ジャパンが今年1月のAFCアジアカップ・グループステージ第2戦で逆転負けを喫したことが記憶に新しい。また、同大会では準々決勝でイランに敗北。この一戦でもセカンドボールの球際や空中戦で競り負けるシーンが多かっただけに、遠藤氏は中東勢との相性の弱さを指摘している。
同氏は今年3月25日からインターネット動画配信サービス『DAZN』で公開されている「遠藤保仁 特別番組 ~走り続けた26年の記憶~」にて、松井大輔氏と対談。日本代表の抱える問題について、以下のように語っている。
「イラン戦の前半見て、『これは勝った』と思った。後半ボンボンと(ロングボールを)蹴られて、力負けみたいな感じだった。イラク戦も見ていたけど、やっぱり日本はロングボールでガツガツ来るチームに弱い。パスを繋ぐチームには強いけど、ボールを蹴ってフィジカルで勝負するチームには苦戦するなと」
「今の代表選手はヨーロッパでの経験がある。メンタルは問題ない。ただアジアと世界で戦い方が変わる。アジアではボール持てるけど、世界では持てなくなるという。そのギャップに苦しんだんじゃない」
ロングボールを駆使し、フィジカル勝負に持ち込む相手に弱いとみられる日本。ただ、大岩ジャパンはFW藤尾翔太、FW平河悠と、プレー強度の高さや球際での勝負強さを武器とする選手も抱えている。パリ五輪出場をかけた大一番では、町田ゼルビア所属の2選手がカギを握るかもしれない。