北海道コンサドーレ札幌の取締役である相澤陽介クリエイティブディレクターは、明治安田J1リーグ第10節・湘南ベルマーレ戦の翌日にX(旧ツイッター)を更新。クラブに対する思いを綴ったが、ファン・サポーターの間では「役員報酬ゼロ」を巡って賛否が湧き起こっている。
札幌は湘南戦で3点リードで前半を終えるも、後半に追いつかれてドロー。勝ち点2を落とす格好となっただけに、試合後にはゴール裏からブーイングが。ファン・サポーターからの不満が噴出する中、相澤氏は「悔しい、力不足、過信、何かが足りない。そんな事はいつも思う。どんな仕事もいつも付き纏う。次に繋げる為に今がある。そう思って明日を生きる。この繰り返しが成長に繋がると思ってずっとデザイナーをやってきた。前を向くしか無い時もある。下は絶対に向きたく無い」と悔しさを滲ませていた。
また27日深夜には、一部からの意見に対する回答内容として「サッカー経験が無いので戦い方をどうしたら良いか分からないですがメンタリティは強く伝えたいです。役員として責任はありますがビジネスとしてこの仕事をやってなく役員報酬も一度も貰ってないしデザイン科も貰ってません。ただ単に俺達のクラブを支えたいだけです」と、無報酬で仕事を引き受けていることを告白。
そして28日正午前には「自分の書き方が勘違いされてしまうかもですが」と切り出すと、「対価とはお金だけに限らないと思っていて、プロ意識として対価に見合う感情を貰っています」と持論を展開。
「大学の教授も一緒でデザイナーの価値向上を生み出す事が重要。まず赤字を解消しクラブを強し目標を達成したらまた違う感情も生まれてくるでしょう」と綴っている。
相澤氏の「役員報酬も一度も貰ってない」という文言に対するファン・サポーターの受け取り方は多岐に渡る。同氏の投稿には「相澤さんは本当にコンサドーレのことが好きなんだね!」「ファン・サポーターが無償であるのと同じマインドでいてくれている!」といった好意的なメッセージが寄せられているほか、「無償は絶対に良くない!」「相澤さんには、役員報酬とデザイン料をしっかりと貰って頂きたい」「サッカー業界はやりがい搾取で、良い人材は集まりにくい」「クラブが甘えすぎ」という意見も。
クラブの運営会社『株式会社コンサドーレ』は、2023年度の純損失4億1202万2000円で6期連続の赤字であるだけに、相澤氏がクラブの厳しい財政事情を考慮している可能性も指摘されているほか、一部のファン・サポーターは「相澤さんから見放される時が来たら、このクラブは本当にヤバいと思う」などと、より一層の危機感を持つようクラブに訴えている。
J1最下位低迷という厳しい状況の中、湘南戦前夜に三上大勝代表取締役GMとファン・サポーターによるオンラインミーティングを開催した札幌。ピッチ内外で問題を抱える中、相澤氏のSNS投稿をきっかけに新たな議論が生まれている。