栗島とのホットラインで得点も
栗島がDF石川璃音(センターバック)と右サイドバック遠藤の間へ降りてボールを受け取り、これと同時に遠藤が高い位置へ上がるというのが、レッズレディースの攻撃パターンのひとつとなっている。前述のINAC神戸戦における同点ゴールは、この立ち位置をとった栗島を起点とするパスワークから生まれたものだった(得点者はFW清家貴子)。
3月20日に行われたWEリーグ第11節マイナビ仙台レディース戦でも、栗島が石川と遠藤の間へ降りゴールの起点に。両チーム無得点で迎えた前半13分、栗島が石川と遠藤の間へ降りたことで、守備隊形[4-4-2]のマイナビ仙台FWカーラ・バウティスタ(左サイドハーフ)が釣り出される。これにより開いた相手サイドハーフとサイドバックの間で遠藤がフリーになり、ドリブルでチャンスメイク。遠藤のパスを受けた清家がペナルティエリア右隅から強烈なシュートを放ち、レッズレディースに先制点をもたらした。
このゴールで勢いづいたレッズレディースは、最終スコア2-0でマイナビ仙台を退けている。今後も栗島と遠藤のホットラインから目が離せない。
実を結んだウエイトトレーニング
負傷離脱があった昨2022/23シーズンとは打って変わり、遠藤は今季フル出場を続けている。その秘訣も今回の囲み取材で明かしてくれた。
「昨年の3月末に怪我をしてしまい、そこから1か月半ほどプレイできませんでした。(復帰後も)なかなかコンディションが上がらずにシーズンが終わってしまったので、悔しかったですね」
「絶対に怪我をしない体作りをしようと、今シーズンは意識しました。ウエイトトレーニングもそうですし、トレーニングしたぶん(その後の)ケアも積み重ねています。今シーズンはその成果が出ていて、ほぼフル出場ですね。背筋を鍛えているので、大きい素振り(モーション)でなくてもスローインの飛距離がのびるようになりました」
「スローインについては清家選手や塩越(柚歩)選手とも話をしていて、縦が空いていたらそこへすぐ入れてほしい(清家や塩越の前へボールをスローインしてほしい)と言われています。それを意識したらゴールに結びつきましたね」
無駄のないモーションからのスローインは遠藤の武器のひとつであり、これが今季レッズレディースのチャンスに何度か繋がっている。このプレイも一見の価値ありだ。