指宿洋史 写真:Getty Images

 アデレード・ユナイテッド所属FW指宿洋史に、今夏フリー移籍の可能性が浮上。湘南ベルマーレや清水エスパルスなどJリーグ複数クラブでのプレー実績があり、今季のオーストラリア1部リーグで13ゴールを挙げているだけに、J1最下位に沈む北海道コンサドーレ札幌の補強ポイントに合致する可能性も考えられる。

 196cmと長身の指宿は、柏レイソルの下部組織出身であり、かつてジローナ、セビージャなどスペイン国内の複数クラブでプレー。2014年7月以降はアルビレックス新潟、ジェフユナイテッド千葉、湘南、清水と渡り歩き、2022年1月からアデレードでプレーしている。

 そのアデレードでは、加入1年目から絶対的ストライカーとして活躍。2023/24シーズンはリーグ戦25試合中18試合のスタメン出場で13ゴール3アシストをマーク。オーストラリア1部リーグの得点ランキングで、首位のパース・グローリー所属FWアダム・タガート(元セレッソ大阪)から6ゴール差の4位につけている。

 そんな指宿とアデレードの契約期間は今年6月までであるが、豪州メディア『デイリーテレグラフ』は今月25日に「アデレードはまだ指宿に契約延長のオファーを提示していない」とリポート。26日に豪州1部リーグ第26節のブリスベン・ロアー戦を控える中、「ブリスベン・ロアーの幹部が指宿の代理人に接触している」と、豪州国内移籍の可能性を報道。Jリーグクラブからの関心については触れていないが、帰国の可能性を排除することはできない。

 一方、札幌はJ1第9節終了時点で1勝3分5敗と最下位に低迷。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が攻撃的なサッカーを志向しているものの、チーム全体の総得点数は「6」とリーグワースト。開幕から怪我人が相次いでいるほか、生粋のセンターフォワードはFW鈴木武蔵くらい。大卒2年目のFW大森真吾が徐々にフィットしているとはいえ、チーム全体の決定力不足は否めない。

 2023シーズン終了後に外国人アタッカーの獲得がなく、J1残留が現実的な目標となりつつある札幌。指宿がペトロヴィッチ監督の戦術にフィットするか、疑問に思うファンはいるかもしれないが、得点力不足の解消が急務であるだけに、ロングボール、空中戦というバリエーションが増えるという点でプラスに働きそうだ。