アイントラハト・フランクフルト所属の元日本代表MF長谷部誠は今月17日、今季限りでの現役引退を発表。引退後、ドイツ国内で指導者ライセンスの取得する意向を表明したが、これに関連して日本サッカー協会(JFA)の指導者ライセンスが再び議論の対象となっている。
2014年夏からフランクフルトでプレーし、経験豊富なベテランとしてチームを支える長谷部。国際Aマッチデー期間を利用して、サミ・ケディラ氏らとともにドイツサッカー連盟(DFB)の指導者ライセンス講習会に参加するなど、セカンドキャリアの準備を積み重ねていた。
すでにドイツのB級ライセンスまで取得している長谷部。今月17日の引退会見で「ライセンスの勉強は楽しいのでS級まで取得したい」と語っているが、このコメントに反応したのが、本田圭佑の実兄であり、代理人の本田弘幸氏だ。
スポルティングCP所属MF守田英正をはじめ多くの日本人選手を顧客に持つ同氏は、今月18日にX(旧ツイッター)で「UEFAライセンスは日本サッカー界が直接関与できないが、S級は即発行で問題ない実績と経験値かと思う」と投稿。指導者としての長谷部を高く評価すると、「Jでオファーしたいクラブは即ピッチで指揮を取らせ有益なトライにチャンスを。改革必須」とJFA公認の指導者ライセンスについて持論を展開。これに本田圭佑は「UEFAライセンスを任意かなくすかにすればいい」と反応したのだ。
カンボジア代表指揮の経験を持つ本田圭佑は、以前から指導者ライセンス不要論を提唱。2021年2月に「ヘッドコーチになるためにサッカーのコーチライセンスが必要な理由がわかりません。優秀である必要はあります。ただ、会社のCEOになるための免許は必要ありません」と投稿すると、2022年11月のカタールW杯日本代表対ドイツ代表の試合後には「日本サッカー協会はプロの指導者ライセンスを残しつつ、ライセンスがなくても誰でも監督になれるようにするべき。どの指導者と契約するかは経営者の責任。逆にユース年代の指導者ライセンスは今よりも厳しくするべき」と主張していた。
一方、かつて日本代表で本田や長谷部とチームメイトだった内田篤人氏は、Jクラブの監督に必要な最上位資格であるS級ライセンス取得にむけて、中村憲剛氏らとともにJFAのS級コーチ養成講習会を受講。昨年9月、インターネット動画配信サービス『DAZN』制作の「内田篤人のフットボール・タイム」出演時に「ライセンス自体はあまり知られていないけど、B級やC級だと保護者が受けられるようなレベルになっている。(C級では)知らないおじさんと一緒に授業を受けて、一緒にサッカーやって。そういうのすごい面白い」と自身の体験を語っていた。